ゴルフコース Vol.14 湘南カントリークラブ
2022年7月の猛暑日、神奈川県茅ヶ崎市にある名門「湘南カントリークラブ」に数年ぶりに訪れた。ここは、三菱グループ社員の懇親及び健康増進の場として設立された、旧財閥系三菱グループが所有するゴルフ場である。神奈川県茅ヶ崎市の東急系のスリーハンドレッドC、芙蓉グループの芙蓉CCなどの名門コースが立ち並ぶエリアにある。現在、コースの運営会社株主には28の三菱グループ企業が名を連ねており、一般ではプレイが難しいゴルフ場である。

湘南カントリークラブの成り立ちは、創業4代目岩崎小彌太氏が地方出身の若い三菱マンのために独身寮「思斉寮」を巣鴨に創設したことから始まる。「思斉寮」出身のゴルフ好き連中が「若い三菱マンが気軽にプレーが出来るコースを」という提案から、三菱グループのゴルフ場建設計画がスタートする。コース設計は、発起人の一人である赤星平馬氏の旧制成蹊中学の後輩である、コース設計の第1人者の井上誠一氏に依頼。しかし用地買収が思うように進まず、1959年(昭和34年)5月にアウトコース9ホールのみで仮オープンし、18ホール(パー70)でオープンしたのは1961年(昭和36年)。その後も用地の問題は続き、井上氏の設計に沿ったパー72のコースになったのは1971年(昭和46年)のことである。
井上誠一氏が赤羽根のコース予定地を最初に見て、「こんな良い土地は銀座の真中で財布を拾うようなもの」と言ったというだけあって、ここは理想的な地形でアップダウンが少なめ、フェアウエイは広くて比較的素直なレイアウトである。プレイを邪魔する木も少ない。


今年の7月は天候が安定しない日が多く、この時も前日は大雨。地域一帯が停電に見舞われたという悪天候だったにも関わらず、翌日は嘘のように晴れ上がっていた。小生はやはり晴れ男か!?そんな自信が湧いてくる。
プレイはインスタート、バックティからのプレイであった。暑さに負けて練習もせず、いきなりのスタートである。放った第1打は左へのチーピン。先が思いやられる。5ホール目を越えた辺りで、熱中症の悪夢が過ぎる。早めに対策を取らねばと、プレイよりも身体が心配になってきた。インコース3361ヤード、アウトコース3351ヤード 計6712ヤードのパー72である。フェアウエイ、グリーンは申し分がないほどに手入れがされていて、どこからショットをしても問題が起きない素晴らしい仕上がりであった。当日のセッティングは9フィートと記されてあったが、小生にはもう少し早く感じられた。スコアは相も変わらずの高スコアだ!スコアも高いが、気温も高かった。
スタート時点で既30℃を超えていたが、湘南茅ヶ崎だけあって陸地から海へのオフショアな風が吹き、暑い中にも心地良さが感じられる。しかしその風はプレイの邪魔をして苦労が絶えない。昨日の大雨の影響で、グリーン面が柔らかくなっていたのはご愛嬌か。しかし、水溜りが全く見られなかったのは、さすが三菱財閥である。

今年は例年よりも暑さが堪えるので猛暑プレーの準備は欠かせない。夏の3種の神器といえば、水筒、氷嚢、塩タブレットだろう。今年の夏もしっかり備えていたにも関わらず、2週間前の紫カントリーすみれでプレイでは初めての熱中症を経験した。いつもとは違って滝のような垂れる汗、脚の張り、動悸、顔面蒼白・・・、キャディさんからはリタイアを促されたほどでの状態であったが、売店に駆け込み、なんとか復活が出来た。
今回のことを踏まえ、無理をせず、少しおかしいと感じたら自らリタイアするべきと言うことである。「折角のゴルフだから!もったいない」これが死を招くキーワードだ。
皆さんも真夏のゴルフは十分に気をつけてください。

日陰の少ないゴルフ場では、体感温度がかなり高くなってしまう。還暦を超え、冷房下で堕落した生活をしている小生は平場でのゴルフより、標高1000メートル以上でプレイがいいのだろう。先週の鳴沢は気持ち良くプレイが出来たし、来週は久しぶりの日光カンツリーに出向く予定である。とにかく涼しさだけが待ち遠しい。
38こと、宮本光広 書斎のゴルフ.com管理者。仕事で年間70カ所以上のコースをプレイ。北は北海道から南は沖縄まで巡り、観察&プレイをしている無類のゴルフ好きおやじである。アマチュア目線で見た、ゴルフ場雑観「ゴルフおやじ38のゴルフ場探訪記」を不定期投稿。ゴルフ場で食べるカレーの味にはうるさいカレーマニアでもある。