中部銀次郎「ラウンドの心」其の三

「いつでもありがとう。

感謝の気持ちを持ってプレーする」

 ゴルフは上手く行くことが少ないスポーツだ。いつでも芯を食ったショットが打てるわけでもないし、パットが常に一発で入ることなんてない。

「ゴルフでは悔しいと思うことばかりですよね。でも、悔しい悔しいと言っていてはゴルフは楽しくないし、スコアも良くはなりません。ですから、悔しいと思ったときこそ逆に、『ありがとうございます』と言うわけです」

中部銀次郎

 中部さんはそう言う。

「例えばティショットでチョロして20ヤードしか飛ばなかったとしますよね。カッと頭に血が上るでしょう。でも、そのときに『20ヤードも飛んでくれてありがとう』と言うわけです。すると、冷静になれるから、2打目で無理して飛ばそうと力むこともなくなるし、しっかり素振りしてアドレスを取って打つことができる。つまり,連続ミスを防ぐことができるんです」

 頭に血が上れば、何も考えずに打つことが多くなる。深いラフなのにウッドを持ったりして、続けてひどいミスをすることもあるだろう。

「ティショットでボールを曲げて林に入れた。ボールのところに行ってみたら、前は木が密集している。自分の不運を嘆きつつ、頭に血が上っているから、『エイヤ』と狭い空間を狙って木に当ててOB。こうなると、悔しいが後悔に変わる。でも、後悔しても後の祭りです。だったら、ボールが見つかり、打てることに感謝するわけです。『ありがとう』と言えば、冷静になれて、後ろに出すこともできます。どんなことが起きても『ありがとう』と言ってしまえば、気分転換が出来、大叩きを防ぐことができるんです」

 悔しがっても後悔しても、スコアが良くなるわけではない。だったら感謝してしまうことなのだ。

「たとえトリプルを叩いても、トリプルで収まったと思えれば感謝できますよね。そうすれば、気持ちが切り替えられて、次のホールで良いプレーができるものです」

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