百打一郎と申します! 第2ステージ第11回

『初コンペ』その3

 前々回からお話ししています私の初コンペの続きです。コースは茨城県水戸にあるAカントリークラブです。スタート前には師匠の正治さんから「パーの数字でグリーンオンすることが目標。よって無理はしないように」ということでした。

 ホールが進むにつれて学んだことは「ショットは嫌だと思った方向に飛ぶ。よって嫌だと思った方向に打て」という正治さんの極端な教えです。ゴルフの教科書にも載っていないことでしたが、意外や意外、真実なのです。体が勝手に反応することを踏まえた教えで、嫌だと思う方向に打とうとすれば、体が勝手に違う方向に打とうとするというわけです。面白いものだなと思いました。

 もう一つ学んだことは、スコアをよくしたいのならアプローチを成功させろということです。私のような初心者は、スコアはアプローチで決まると言っても過言ではありません。いくらショットが良くてもグリーン周りで失敗すれば、アッと言う間にダボ以上も叩いてしまいます。これは正治さんから教えていただいた、アプローチはウェッジを使わずにアイアンを持ってパターのようにボールを転がすのが一番ミスは少ないということです。「転がせるならどこからでも転がす」ということを肝に銘じました。

 こうして前半の終盤、7番ホールがやって来ました。

NO7 150ヤード PAR3「パーは求めるものではなく、やってくるもの」

 このホールは横長の二段グリーンで右が高く左が下がっていて、左サイドにはバンカーあります。今日は右サイドの高いほうにピンが切ってありました。奥にもバンカーが大きく口を開けていて、その後ろはOBです。

 私にとって150ヤードはグリーンを狙える距離ではないので、120ヤードを打とうと決め、手前から攻める計画を立てました。ゆっくりとしたスイングで左バンカー横にボールを運び、ユーティリティでころがしのアプローチをしました。ピン手前を意識して打ったショットはまさにピンの手前2mで止まり、パーはずしの2パットの4でした。難なくボギーがとれました。前のホールでの失敗経験が生かせたホールでした。

 正治さんは「パーは求めるものではなく、やってくるもの」と言っていましたが、初心者にとっては、「パーを求めなければボギーがとれる」ということになるのでしょう。

NO8 404ヤード PAR4「なぜ、パー数字オンなのか」

 ここは右ドッグレッグホールです。フェアウェイ左にクロスバンカーがあり、ここまでの距離は200ヤード、私の飛距離では届かない距離です。404ヤードという距離はビギナーにとっては長いミドルホールです。私にはロングホールに次ぐ難しいホールになると思いました。

 ここで必要なのは飛距離ではなく、確実性だと考え、130ヤード先左サイドのラフとフェアウェイの境を意識して、ユーティリティを使っていつもの引っ掛けショットを打ちました。

「ホールが長いと思うと自然に飛ばしたくなる。そこに罠がある」とは正治さんの言葉です。思わず力みが入ってミスをするというわけです。しかし私の場合は「パー数字オン」がテーマですので、冷静に対応できました。私はティショットを130ヤードと決めていましたので、4オンがきちんとできて、2パットのダボと目標通りのスコアで上がれました。

 もしもアプローチが上手くいけば、チップインパーや寄せワンボギーも可能なプレーでした。正治さんが示したテーマである「パー数字オン」や「100ヤードショット」、「レイアップ」や「運ぶ」といったことは、自然に力みを取るやり方だと納得です。

「力を抜いて」と言ってもできないこと。ですから、そのことを直接やろうとぜずに別の形でやることなのです。つまりは戦略です。自然に力まずにプレーする具体的な戦略。それを正治さんから教えてもらったからこそ、目標のダボであがれたと思います。

NO9 389ヤード PAR4「ボールを運ぶ」

 前半ハーフの最終ホールです。無我夢中でラウンドしていたためか、もう最終ホールかと驚きました。あっという間でした。

 このホールは右ドックレッグで右コーナーに池があり、左は林です。距離は長く、私にとっては右も左もダメというプレッシャーのかかるホールでした。

まずは左右のペナルティを避けるために100ヤードを確実に打っていこうと考えました。ゆっくりスイングし、ラフを超えたフェアウェイに第1打を運ぶことができました。

 セカンドは下り傾斜でまだ右に池がかかっていました。左足下がりは私にとってとても難しいショットです。「難しいときほど、ボールを上げるな、転がせ」という正治さんの教えを守って、低いゴロをイメージして打ちました。ショットは良くなかったですが、池の左にクリアすることができました。

 しかも、打つ前には池を見ただけで入りそうな気がしていました。しかし、これまでの経験を生かし「池に入れるつもりでいい」と自分にいい聞かせて打ったことも良かったと思います。

 しかし、まだまだ予断は許しません。ピンまでの3打目は120ヤード残っています。グリーンの正面にバンカーがあり、右サイドもバンカーです。「3オンできたらいいな」という願望がむくむくと頭をもたげてきましたが、正治さんの目標はあくまで「パー数字オン」と自分を抑えて、7番アイアンの転がしを選択しました。結果は、グリーンの左サイド手前までボールを運ぶことができました。

 ピンはグリーン手前に切ってあり、グリーンを見渡すと向こう側はOBです。OBだけは行きたくないと7番アイアンで再び転がしを選択しました。しかし緊張していたのか、思わずインパクトが強くなりゾッとしました。幸いにもグリーン奥で止まってくれ、4オン3パットの7となりました。

 こうしてホッとしながら前半のハーフを終え、スコアは62でした。私としては上出来のハーフです。ランチを皆さんと楽しくお話しして食べることもできました。前半よりもリラックスできた後半のハーフでしたが、スコアは64。自分では前半よりもよいかなと思いましたが、ゴルフとは不思議なものですね。

 ダボペースの目標は大幅にオーバーしてしまいましたが、初コンペを無事終了することができました。これも一緒に回ってくださった皆さんのおかげだと感謝しています。

 表彰式が行われ、私は最下位でもブービーでもありませんでした。ハンデ36が効いたのだと思います。それもあって、表彰式のあとで、弁さんから正治さんに、私のハンディキャップの改正が提案されました。「初参加でネット90のスコアは素晴らしいので、次回のハンディキャップは30にする」。私は「ええっ?」と思いましたが、何も言えず、全員一致で可決となり、私の次へのステップが始まることになりました。

                            (次週に続く)

文●久富章嗣 編集●島田一郎(書斎のゴルフSTAFF)

※このたび、久富さんのドリルを集めた本『月3回の練習で100を切る!久富ゴルフ・レッスンブック』の電子版がアマゾンより発売されました。オールカラーの改訂版です。『百打一郎と申します!』がよりわかりやすくなること請け合いです。

PAGE TOP