中部銀次郎「ラウンドの心」其の八

「背筋を伸ばして胸を張り、

姿勢を良くして、スピーディに歩く」

 中部さんはアドレスにこだわっただけに背筋がピンと伸びた素晴らしい構えをしていた。しかし、その姿勢は構える前からそうなるように心がけていたという。

「フェアウェイを歩くときから、良い姿勢を心がけることです。顔を上げて、胸を張って、背筋を伸ばして歩く。そうすれば、ボールに対して、背筋を伸ばした良い姿勢で構えることができます。それが歩いているときから俯いていたら、構えたときに背中が丸くなってしまう。軸の作れないスイングになってしまいます」

 歩くときに姿勢まで気にしているゴルファーは少ないだろう。しかし、「打つときだけ姿勢を正そうと思ってもできるものではありません」と中部さん。

「普段の生活から姿勢を正しておくことが大事なんです。街中を歩くときも、顔を上げ、胸を張って背筋を伸ばして歩くこと。それを習慣化できればゴルフでもそうした歩行ができ、姿勢の良いアドレスでスイングできる。当然ナイスショットが増えます」

 さらに歩く速度にも中部さんは言及する。

「普段から速く歩くことを心がけます。なぜなら、一緒に回る人が速く歩く人だと、それにつられて早歩きになり、いつもと違う速いリズムでスイングしてしまうことになりかねない。だから、自然に速く歩けるようにしておけば、そうした人と回ってもリズムを乱されなくてすみます。また、速く歩く癖をつけておけば、遅い人と回った時には容易に合わせることができます。良いショットを放ち、良いスコアで回りたいのなら、歩くときの姿勢とリズムに注意を払って欲しいものです」  確かに、中部さんは背筋を伸ばし、顔を上げて胸を張って堂々と歩いていた。良いゴルフをしている人はそうした良い姿勢で歩いているものだが、中部さんはそれを逆利用して良いゴルフを行えるようにしていたのだ。さすが、中部さんである。

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