百打一郎と申します! 第3ステージ第4回 

『正治さんの教え・アプローチ練習』

 アプローチほど面白くない練習はありません。コースで打つような緊張感がないためか、そこそこ上手く打てれば、ロングショットの練習に切り替えてしまいます。それもアプローチ練習をやることさえなくなり、ドライバーショットばかりになるということもあります。

 私のような初心者にはどうしてもスコアを良くする鍵はロングショットに思えてしまうのです。ドライバーが上手く打てなかったらスコアにはならないと思ってしまうのです。

 師匠の正治さんはスコアメイクの鍵はアプローチにあると言います。スコアの60%はアプローチとパットであると。確かにあとでスコアカードを振り返って思い出してみるとそうなのです。100のスコアのうち、ショットの数は40回、残りの60回はアプローチとパットです。

 アプローチのような短いショットはいつだってそこそこ打てると甘く考えてしまいがちですが、この間のコンペでご一緒した弁さんはゴルフ歴25年というのにアプローチで使うクラブはジガーでした。これはこれまでさんざんアプローチをミスしたからだそうです。つまり、決してやさしいショットではないということです。

 正治さんが教えてくれたアプローチの練習方法は、ユーティリティや7番アイアン、9番アイアンを使って、ボールを転がすことでした。ランニングアプローチです。しかもコースのアプローチ練習場でやったことは、これらのクラブで転がして、グリーンに乗せるのではなく、グリーンの手前に止めるというものでした。

 大変に驚き、思わず「乗せなくていいんですか?」と聞くと「最初は乗せなくていいのです」という答えです。手前に止められるようになれば,いつでも乗せられる。力加減がわかれば、ピンにも寄せられるようになるそうです。

「最初からピンに寄せようと思って練習したら、いつまで経っても寄せられるようにはならない」と言います。「グリーン手前に止める。そして、乗せる、寄せる、入れるの順番だ」と言うのです。

 まさにその通りで、前回のコンペのとき、ピンに寄せようとしてグリーンの奥まで転がしてしまい、下りのパットを上手く打てずに3パットしてしまいました。スタートホールのパー5で目標のダブルボギーで収まるところがトリプルボギーを叩いてしまいました。

アプローチでピンを狙わずにグリーン手前に一旦止めてみる。それからピンまでの上りをパターでピンまでの半分の先までを打つ。そうした気持ちとやり方が初心者には大事だと、正治さんは言います。初心者はアプローチでもパットでもピンを狙って、入れようと打ち(ヒット)に行く。ピンをオーバーして3パットになりがちだというわけです。

正治さんは言います。

「ゴルフはすべてのスイングで打ちに行くことがミスの原因になる」

 これは「強くヒットする」ということを言い表していると思いました。

こうして正治さんの言葉と考えを意識して、練習場でも強くヒットしないで、目標とするところへ転がす練習を行いました。

 さらに正治さんが教えてくれたのはサンドウェッジでの「五角形打法」です。サンドウェッジを持って、両肘を曲げてクラブを吊すようにしてボールの近くに構えます。こうするとヘッドのヒールが浮いてトウで打つことになりますが、それでパターを打つような感じで、ボールを浮かせてから転がします。サンドセッジでのピッチ&ランになります。アプローチ練習場ではこのアプローチショットでバンカー越えを練習します。

 アプローチ練習場と言っても街中にはそんなところはありません。そう言うと正治さんは「それならショートコースを活用しなさい」と言います。「ショートコースに行ってサンドエッジでボールを浮かすことができれば本コースでのバンカー越えに対処できます。本コースでは必ずバンカー越えの状況に出くわしますから」

確かにそのことは先日のコンペでもありました。

正治さんは言います。

「このサンドエッジでの『五角形打法』はバンカー越えだけでなく、バンカーショット自体にも使えます。砂を多く取るエクスプロージョンショットをしなくとも上手く脱出できるのです。バンカーでは1回で脱出することが何よりも大事です。サンドウェッジの『五角形打法』をぜひともショートコースで学んでみてください。自信がつくと思いますよ」

 さらにこう言います。

「ショートコースでは先に話したアプローチをグリーン手前に止めることも学んでみてください。スコアがしっかりとまとまるはずです」

 私は正治さんの教えに従って、鳥カゴの練習場だけでなく、ショートコースにも通うことにしました。ひとりでの練習はとてもためになります。

 また「スムーズなスイングを作るには素振りが早道だ」と正治がアドバイスしてくれましたので、鳥カゴでは1回球を打つ毎に、10回素振りをするということに取り組みました。

 ゆっくり大きく素振りしたり、スピーディーに早く素振りをしたりしました。そうこうしているうちに、トップで右足踵や右足裏で大地をつかむ感覚ができてきて、ボールがつかまり始めました。大きく孤を描けるようになり、腰と背筋が伸びて、インパクトにつまりがなくなりました。

 これまでボールがあると、素振りのようにスイングできないことが多くありました。このギャップを埋めるために、毎日数百回素振りをしろといっても長続きはしません。ですので、1回打つ度に10回素振りをするというのはとても良い練習だったなと思いました。ボール代がかからなくなるというメリットもありますし。

 とはいえ、この練習方法も段々に10回の素振りをしなくなってしまいます。しまいにはまたいつもの機関銃練習に戻ってしまうのです。厭きてくるというか、忍耐力がないからでしょう。または競技者と趣味ゴルファーの違いでしょうか。しかし、それでは決して上手くはなれません。数少ないボール練習で、楽をして上手くなる方法はないということです。

                             (次週に続く)

文●久富章嗣 編集●島田一郎(書斎のゴルフSTAFF)

PAGE TOP