百打一郎と申します! 第3ステージ第5回

『ショートコースでの練習』

 鳥カゴの練習場やアプローチ練習場で、師匠の正治さんから教えていただいたアプローチの練習方法に精を出しました。なにせ、アプローチがスコアの60%を占めるわけですから、疎かにはできません。

 前回でもお話しましたが、練習法のその1は、ユーティリティ、7番アイアン、9番アイアンの3本を使って、ボールを転がすこと。ランニングアプローチをやりました。インパクトで強くヒットせずに、ゆったりとした小さなスイングで、フェースでボールを運ぶように打ちます。思った距離まで転がすように練習して距離勘を養うようにしました。

 練習法のその2はサンドウェッジを使った「五角形打法」です。ボール近くに立って、両肘を曲げてクラブを吊るようにして構え、ボールをポーンと浮かして転がします。これもインパクトで強くヒットせずに、ボールを運ぶように打ちます。

 正治さんから「次の本コースに行く前に、これらのアプローチを使って、ショートコースでプレーしてきなさい。いい練習になりますよ」とアドバイスを受けましたので、さっそく行ってみることにしました。

 私自身も、アプローチの練習をしてきて、飛距離、ミート率、方向性の成果を試すには、ショートコースに出かけることが大切だと思っていました。会社の有給休暇を取り、ひとりでショートコースに行くことにしました。コースは本コースのラウンド前に体験しておいたほうがいいと正治さんに連れられて行った多摩川の河川敷にある多摩川ゴルフ倶楽部です。

 ラウンドでのテーマはもちろんアプローチで、それも正治さんから言われている「グリーンの手前に一度止める」です。打ち方は練習した通りにやろうと決意しました。

 小さなセルフ用のゴルフバッグに、ユーティリティ、7番アイアン、9番アイアン、サンドウェッジ、そしてパターという5本のクラブを入れました。肩に担いでスタートホールに向かいますが、本コースとは違って緊張感はまったくなく、回るのも2度目ということもあって、気持ちはとても楽でした。

 1番ホールは138ヤードです。グリーンは前回とは違い、今回は左のグリーンです。本コースを体験したからか、グリーンはとても近く見え、ピンもよく見えます。ユーティリティでワンオンしたい気持ちが湧いてきますが、それでは力んでしまうことでしょう。

「飛ばさない、乗せない」の気持ちを持って、5番アイアンで「脱力」を心掛けて打ちました。少しスライスがかかりましたが、思ったよりも距離が出て右のサブグリーンにオンしました。ボールをグリーンから出して、パターで本グリーンの手前に一度止め、そこから1mに寄せてパーが取れました。正治さんが言ったようにプレーしたらパーが取れたというわけです。

 前回に回ったときはグリーンに届くショットがなかっただけに、サブグリーンにまで届いたことは嬉しく、少し飛距離が伸びたように思えました。

 2番ホールも138ヤードです。スタートの1番ホールと同じ距離ですが、左グリーンの手前にはバンカーがあります。5番アイアンで打ったティショットはトップ気味で、バンカーの右横手前に止まりました。

 ピンはバンカー越えになりますが、ここは練習したサンドウェッジでの「五角形打法」の見せ場です。上手く打てるつもりが、グリーンに乗せたい欲があったのか、トップしてグリーンオーバーしてしまい、奥のラフに止まりました。3パットしてダブルボギーにしてしまいました。

 ここはすぐに乗せようとせずに、バンカー越えにならない方向へ、それもグリーンの手前エッジまで転がせば良かったと思いました。パーを狙おうと思ったわけではなかったのですが、敢えて刻んでボギーで良しと思えれば良かったのです。

 6番ホールからグリーンが右に変わりました。すると、突然シャンクが出ました。思ってもいなかった出来事なのでショックを受けました。

 状況が変わっただけで脳が変化してしまうということでしょう。グリーンが左のときは目標に向かってボールを引っ掛ける意識で打てば良いため、これまでと同じで抵抗がなかったのです。しかし、目標が右に変わったために、ひっかけてはいけないという意識に変わり、体が硬直してしまったようです。

 そこで、次のホールからグリーンが右にあっても、ピンは左にあるものと意識してプレーしました。目標が右なのに目的は左ですので、グリーンから遠ざかるわけで、少し損をする気がします。しかし、それを拒む意識に打ち勝とうとしたことでシャンクを出さずに済みました。ティショットを安全に運び、次のアプローチでグリーン手前まで寄せることに集中しました。

 こうして7番ホールと8番ホールはティショットでユーティリティを使い、セカンドショットでは7番アイアンを持ってグリーン手前まで転がすことを意識しました。転がしの練習をしたことで距離勘が身についていたのか、上手くできて、2パットのボギーを取ることができました。これも欲を出さずに一度グリーン手前に止めたことがボギーを取れた要因だと思えました。

 こうして9ホールのハーフを回った結果はダブルボギーが2つと、ボギーが6つ、パーが1つの46でした。前回はスコアを数えませんでしたが、50はおろか、60以上叩いていたと思います。それから比べたら嘘のように良いスコアです。練習の成果が出たなと思いました。

 このラウンドではどのようなミスが多く出るのか、ホールごとの記録を残すように正治さんから言われていました。ラウンドを振り返ってみると、自分の癖を理解できたようにも思います。今後の練習に生かしていこうと思いました。

(以下次号に続く)

文:久富章嗣(ゴルフ向学研究所所長) 編集:島田一郎(書斎のゴルフSTAFF)

※このたび、久富さんのドリルを集めた本『月3回の練習で100を切る!久富ゴルフ・レッスンブック』の電子版がアマゾンより発売されました。オールカラーの改訂版です。『百打一郎と申します!』がよりわかりやすくなること請け合いです。

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