百打一郎と申します! 第3ステージ第9回 

『スコアが100を切った日』

それは、ゴルフを始めて1年が過ぎた、7回目のラウンドでした。

これまでひと月に2回もラウンドすることなどなく、この日はこの月の2度目のゴルフとなるため、少し興奮状態でした。

ゴルフができる喜び、私のこの年齢でこんな気分を味わえる幸せを感じ、ゴルフを教えてくれた正治さんに感謝です。

今回のラウンドは、前回のラウンドでの寄せワン4回のイメージが残っていて、ひどいゴルフになるような不安はありませんでした。アプローチの練習をしっかりやってきたからでしょうか。グリーンそばまで行けば、そこから乗せればいいのだと思えたのです。

この日もそうしたゴルフがスタートからやれました。心に余裕があったからでしょう。アプローチでグリーンをとらえられ、6ホールまでで寄せワンが2回ありました。6番の160ヤードのショートホールでは、3番ウッドのティショットがサブグリーン手前まで飛び、楽々寄せワンでパーが取れたのです。

午前のハーフはそんな感じでショットも良く、寄せワンが7番からもう1回あり、スコアは47と、50を3打も縮めることができたのです。

さて、お昼を食べて午後のハーフが始まりました。午後の最高とも思えたプレーから、私の中にボギーオンさせたいという気持ちが出てしまったようです。最初の10番はパー4ですので、3オンさせたいと思ったのです。そうしたら、何とセカンドショットでシャンクが出てしまいました。大叩きの8です。

師匠の正治さんから「一郎さんはまだまだ初心者なのだから『PAR数字オン』を目指さなければいけない」と言われていたのに、「4オンで良しから、3オンしたい」になってしまったのです。その途端にスイングが力んで、シャンクが出てしまったわけです。

 シャンクというのは思いもしないひどいところに飛びますので、ショックを受けます。打ちにくい場所で、しかも動揺していますので、3打目もミスショットになり、4オンさえもできない。ダブルパーの8になるのも当たり前です。

「これでまた100が切れないのか」と落胆しました。

しかし、11番のティグラウンドで、身の丈に合っていないボギーオンをしたいと思ったからいけないのだ、「PAR数字オン」のダボオンゴルフにしなくてはと反省しました。100切りのことも忘れることにして、今の自分の実力はダボだと自分に言い聞かせました。そして、前回のラウンドでもトリプルやダボを叩いても52であがっているのだと、コツコツと1ホール毎に、それも1打ずつしっかりと打っていこうと決めました。

 11番ホールはしっかりとダボオンでダボを取ることができました。これでほっとし、12番、13番、14番の3ホールを寄せワンのボギーであがることができたのです。

この寄せワンは3オンを狙わずに、3打目はグリーン手前で良しと、刻んだことでできたのです。グリーン手前からピンの手前にアイアンで転がして、1パットで収めたのです。日頃のショートコースでの練習が実を結んだ結果でした。

アプローチがかなりショートすることもありましたが、ピンをオーバーするよりよっぽどいいと自分に言い聞かせました。上りのやさしいラインだと考えたら、1パットで運良く入れることもできたのです。

いつでも安全に攻めるというプレーの組み立てがつくれたのかもしれません。そして、その安全は心の余裕を生み出します。ティーショットやセカンドショットで力むことがないスムーズなスイングができました。安全第一の寄せワンがショットへの相乗効果を生んだのでした。

私が習得したアプローチは30~50ヤードのランニングです。そのランニングの転がしで、今回のラウンドでは18ホールで7回の寄せワンがありました。その寄せワンでのスコアは、パーが2つ、ボギーが3つ、ダボが2つです。パーはショートホールでした。ボギーやダボはミドルホールとロングホールです。まだまだ50ヤードくらいのアプローチショットは1パット圏内までは寄せられません。練習をしなくていけないと痛感しました。

また、練習場ではドライバーや3番ウッドは飛距離が出ていると思っていましたが、思いだけの先走りのようでした。飛距離を求めるよりも安定して120~150ヤードの飛距離をコースで出せるようにすることが重要だと思いました。なぜなら、それくらいの距離でもフェアウェイに打つことができれば、アプローチでダボオンは可能になるからです。スコアは飛距離ではないことを痛感させられたラウンドでした。

さて、そうした後半のスコアは51でした。47+51でトータル98回。とうとう100を切ることができました。一緒にラウンドしてくれた師匠の正治さんに

アテストしてもらい記念のスコアカードとしました。

正治さんは私のスコアカードを見ながら、次のように言いました。

「7回目のラウンドで100が切れたのはとても立派です。それは一郎さんがアプローチの練習をたくさんやり、『PAR数字オン』を心掛け、寄せワンを多く取ったからに他なりません。

多くのアマチュアゴルファーは、ティショットが上手く打てないとスコアは良くならない、ナイスショットを打たないといいスコアが出ないと思っていますが、そんなことはまったくありません。

100を切れないゴルファーは、ティショットでナイスショットした後にミスショットを打つことが多いのです。しかも、グリ-ン周りのアプローチでのミスも多いですし、ショートパットを外すことも多いのです。

上手なゴルファーはティショットよりセカンドショットが上手いですし、セカンドショットよりアプローチのほうが上手いのです。さらにショートパットを外すことが少ないのです。要するに、カップに近づくほどミスをしていないのです。

そうした上手なゴルファーに一郎さんもなってください。そうすればいつでも100が切れるようになります」

また、正治さんはこうも言ってくれました。

「これまでのラウンドで、一郎さんはパーオンもボギーオンもやれていますし、練習場でのショットが向上しているので、いつでもボギーオンができる気になっていると思います。こうなると、どうしても『PAR数字オン』のダボオンを拒否する気持ちが無意識に働きやすくなります。しかし、ダボオンから卒業するのは80台前半のスコアが出るようになったときです。100切りができてもダボオンは当たり前という気持ちを持ち続けることを肝に銘じてください」

 確かにその通りだと言うことを今回のラウンドでも痛感しました。ダボオンの意識で80台が出るまで、謙虚なプレーを続けていこうと思います。

                        (次週に続く)

文:久富章嗣(ゴルフ向学研究所所長) 編集:島田一郎(書斎のゴルフSTAFF)このたび、久富さんのドリルを集めた本『月3回の練習で100を切る!久富ゴルフ・レッスンブック』の電子版がアマゾンより発売されました。オールカラーの改訂版です。『百打一郎と申します!』がよりわかりやすくなること請け合いです。

PAGE TOP