ミスショットだけでなく、
ナイスショットの理由も考える
中部さんは上達するために長時間練習した。ボールもたくさん打った。しかし、それでコースで上手く打てるか、試合でナイスショットが打てるかというと、「まったく違うこと」と悟る。
「単に良いショットを打とうとして、たくさん練習すればいいというわけではないですね。何百球打った、何時間練習したなんて言っても意味がありません。時間とお金の無駄です」
では、どうすれば良いのか。

「練習の時間は短くてもいいです。球数だって少なくて構いません。1球1球、コースで打つつもりで、目標をきちんと定めて真剣に打ちます。そのときにミスをしたら、なんでそのミスが出たかを考えます。まずはスイングのことよりも、リズムやテンポをチェックします。違っていたら、素振りでいつものリズムやテンポを整えます。次にアドレス。目標に対しての体の向きや前傾角度、スタンスの向きをチェックします。ボールの位置もです。大抵はそこまでを整えれば、自然に良いスイングになり、ナイスショットが打てるようになります」
このことは、コースでミスが出たときの矯正法にもなるのだ。また、中部さんはミスショットだけでなく、ナイスショットが打てたときも、その理由を考える必要があるという。
「芯を食ったショットが打てるときがあるでしょう。自分のショットとは思えない目の覚めるようなショット。そんなときはただ喜んでいないで、何で打てたのかを考える。スイングのことを考えずに目標だけに集中したとか、素振りのリズムやテンポを大事にしたとか、ボールを最後までしっかり見て打ったとか。その要因をとらえておけば、それを意識することでナイスショットが打てるようになります。意図的に打つことができるようになるのです」
練習する時間の少ないアマチュアには貴重なアドバイスだ。
「時間も球数も少なくていいけど、本当は毎日、少なくても1日おきには練習して欲しい。せっかく覚えたことを忘れてしまうからね」