中部銀次郎 飛ばしの悟り 其の二

クラブヘッドの芯で打ち、

自分の能力の最大飛距離を得る

中部銀次郎

 飛ばしたいと考えたとき、多くの人はヘッドスピードを上げようとする。物理的にもこれが最も飛ばしに効果的なため、クラブを速く振ろうとするわけだ。しかし、中部さんはそんなことはしなかった。

「速く振ろうとすれば、いつもの自分のスイングとは変わってしまいます。テンポやリズムが変わってしまう。それでは球は曲がってしまいます。しかも速く振ろうとすれば、腕を速く振ろうとする。すると、体のバランスが崩れてしまう。たとえヘッドスピードがアップしてもスイングが崩れてしまい、当たらない、曲がるということになってしまう。大体、力めば体が動かなくなるから、速く振れない。要するに、速く振ろうとは思わないことです」

 つまり、クラブを速く振ろうとするのは愚の骨頂。自分の能力以上には速く振らないということが重要なのだ。  

 だから、中部さんは必要以上に飛ばそうとはしなかった。では、何を意識したかと言えば、クラブの芯で打つことだった。

「クラブの芯で打てれば、インパクトでスイングした最大の力をボールに与えることができます。また、芯で打つには良いスイングをしなくてはならない。バランス良く振り抜くことになり、そうなれば、ヘッドスピードも自分の能力の最大にすることができます。結果として、自分の能力の最大飛距離を得ることができるのです」

 では、どうやって芯に当てるか。

「大事なのは、芯に当てようとすることではないということです。つまり、自然に芯に当てるように構えること。そのためにはボール位置が大切です。自分のスイングをしたときに、自然にヘッドの芯がボールに当たるところにボールを置くことです。そして、いつものように振れるように、いつもと同じスタンスを取り、スクエアに構え、背筋を伸ばし、頭を垂れず、手や腕、肩に力を入れない。動きやすい態勢を作って、いつもと同じテンポとリズムでスイングすることです」

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