YNGゴルフ研究会書斎のゴルフSpiritsその20

エージシュートがでる備え

前回まで「ゴルフが上手くなる要素 スイングその前にあるもの パート2」ということで、「クラブとセッティング」についてお話しを続けてきましたが、今回はYNGゴルフ研究会のメンバーである山田隆三さんがエージシュートを達成されたこともあり、そのことから特別に「ゴルフが上手くなる要素」を書きたいと思います。次回からはまた「クラブとセッティング」の続きをお話したいと思います。

体、クラブ、ステイ・ビハンド・ザ・ボールとマネジメントでエージシュート達成

エージシュートを達成したのは山田隆三さん、74才、HC6という方です。達成した日は2021年9月15日、大宮国際カントリークラブのグランドシニア大会で、73(27パット)=35(15)+38(12)という素晴らしいスコアで達成されました。

山田さんからいただいたメールでは「エージシュートは80才にならないと無理かと思っていましたが、思ったより早く達成できました」という感想です。ゴルフの目標達成はこんな感じである日突然実現するものではないでしょうか。しかし、そこにはエージシュートに至る日々の地道な備えがありました。

山田さんは、最近の埼玉県の研修会などではそれほどいい成績が残せず、80台前半から時には90台もたたくということもありました。山田さんがどのようにエージシュートを達成したか、日ごろ通っているアーリーバードゴルフクラブでお話をうかがいました。

読者の方にもエージシュートを目指している方がたくさんいらっしゃると思います。それぞれに目標をもって努力している方もおおぜいいらっしゃることと思います。100を切りたい、90を切りたい、80を切りたい、Aクラス入りしたい、クラチャン・シニアチャンピオンになりたい、PGS・KGA・JGAの試合で上位にいきたいなど、様々な方がいらっしゃることでしょう。アマチュアのお話はときにプロのレッスン以上の気づきを与えてくれます。是非多くの方の参考にして頂きたいものです。

山田 隆三さん
エージシュート証明書
当日の成績表とスコアカード



















今年は腰痛に悩んでいた やはり体が一番大事

 今年は「腰が痛くクラブを振るのもしんどいときがあった」そうです。そのために調子は上がらず、グランドシニア大会前9月12日のシニア選手権予選でも腰が痛み、91=44+47で予選不通過というスコアでした。スタートホール500Yパー5で8をたたき、その後も2回8という大たたきがあったそうです。

 「シニア選手権予選の後2日間練習を休み、グランドシニア大会では腰の具合は少し良くなりましたが、それでも無理せずゆったりとプレーすることを心掛けたました。やっぱりゴルフは体が一番大事です」と山田さんは語っています。

 

読者のお一人で、がんの手術後身体障害者手帳を持つようになってからシングルになり、クラチブャンピオンにもなった石川県にお住まいの松井勉さん72才とう方がいらっしゃいます。松井さんは今年も1カ月ほど入院されているにも関わらず、たびたび70台のスコアをだすというすごい方です。ときどきメールのやり取りをしていますが、いつも「体が一番」とおっしゃっています。

 これまでも何回か体のコンディショニングは、“早歩きとラジオ体操”がいいとお伝えしてきました。山田さんは、雨の日以外は毎朝6時から7時まで散歩を欠かしません。途中近所の公園でラジオ体操に参加しています。散歩といっても普通に歩くのではなく、早歩き(かなり早い)です。いつもお知らせしている“早歩きとラジオ体操”は、実は山田さんの受け売りです。上達を望むゴルファーであれば、練習場やラウンドではウォーミングアップとクールダウンも不可欠です。ゴルフは何より体が一番です。

クラブ重量の調整がエージシュート達成の要因 クラブの調整でスウィングが安定した

 グランドシニア大会少し前にたまたま練習場で山田さんにお会いしたら「YNGゴルフ研究会の記事を読んで、クラブの重量を測ってみたのでちょっと見て欲しい」と言われました。

「アイアンの重量に合わせてセッティングを考えると、フェアウェイウッドが軽すぎること、ハイブリッドがかなり重すぎること、ウェッジがやや重く硬過ぎる。そこで、フェアウェイウッドはグリップ下とヘッドに鉛を貼ってアイアンと同じフィーリングで振れるようにした方がいいのではないか」とお伝えしました。とはいえ、重いハイブリッドは調整がきかず、「ハイブリッドはかなり気合を入れて打たないといけない」と山田さんはおっしゃっていました。

「試合当日はドライバー、3Wと5Wにそれぞれ10gの鉛を貼ってプレーしました。それが素晴らしい結果に結びつきました。鉛を貼って、スウィングが安定しました」という感想です。

各クラブのスペック 

ドライバー ピンG400 45.75‘ 10° ALTA JCB SR 295g(調整後305g)

3W・5W キャロウェイX Hot 15° 19° 純正シャフト S 305g(〃315g) 315g(〃325g)

HB タイトリスト915H  H1 21° 23° NS950GHUT S 370g 380g

アイアン タイトリストAP2 5~PW Ks Tour Lite S 395g~430g

52° 58° キャロウェイJaws ミズノMP DG200 S 450g 460g

パター オデッセイEXO seven

山田さんのクラブ重量

グラフにすると一目瞭然のクラブ重量 *ゴルフクラブ数値.COMより

調整前はフェアウェイウッドが軽過ぎ、ハイブリッドが重過ぎ、ウェッジがやや重くて硬過ぎるセッティングでした。調整後も、ドライバーはやや重い、ハイブリッドは重過ぎ、ウェッジはやや重過ぎ硬過ぎる感じが残ります。

確かにハイブリッドも素晴しいショットを放たれます。しかし、他のクラブを振った後やラウンド後半では、かなり力が入ってしまう危険があります。現に「ラウンドでは、バックナインでスコアを乱すことが多い」と言います。これは、クラブのセッティング、特にクラブセッティングの重量に起因することが考えられます。アイアンはゆったり振れるのに、ハイブリッドは頑張って振らざるを得ないということでリズムが不安定になることが考えられます。

「今後は、まずハイブリッドを10g程度軽いものに替える必要があるのではないでしょうか」とアドバイスしました。ドライバーは鉛を5g減らし、ウェッジはもう少し軽目にしたものを試してみることも必要ではないかと思います。

パターをストロークにあうものに換えた 方向性とタッチがあって見事に27パット

アプローチ
パッティング

 写真の左は山田さんのパッティングです。これまでは長年ピンパターを使っていましたが「何かしっくりしていなかった」と言います。

 慣性モーメントの大きいオデッセイのネオマレット型に換えて、見事に27パット=15+12という素晴しい成果がでました。山田さんは手首の動きがほとんどないストレート系のストロークです。以前はもう少し手首を使うストロークでした。パターを換えて、パターの特徴とパッティングの特性がぴったりあったのです。それほどパターはパッティングストロークのフィーリングに影響します。パターを換えたことで「何より方向性が抜群によくなり、そのためにタッチもよくなった」と言います。パターの特徴とストロークの特性が一致すると、驚くほどパッティングに自信が持てるようになります。          

写真の左は30Yのアプローチです。フォローでも手首の角度が変わらず、フェイスの開閉が少なく、クラブが体の正面から外れない安定したストロークは大いに見習いたいものです。短いアプローチでも脚を使い、腰はしっかり回っています。アプローチが苦手というゴルファーは脚と腰が止まった手打ちです。手打ちでは、ダフリ・トップがでやすくなります。アプローチも下半身リードが基本です。

仲間のYさんのアドバイスでスウィングに安定感がでた バックスウィングでしっかり右脚にのる

山田さんのアイアンのスウィング 2コマ目の体幹の捻転と切り返しの下半身リードに注目 インパクト前後とフォローで手と腕に力が入らず、ステイ・ビハンド・ザ・ボールが素晴しい

山田さんは仲間のYさんから「バックスウィングで右脚にしっかりのる(荷重する)」ことをアドバイスされて「スウィングがとてもスムースになり安定感がでました」と言います。もともとバックスウィングでの右脚への荷重はできていたのですが「腰が痛かったことで腰の回転と右脚への荷重が十分にできていなかった。それでバックスウィングが浅くなってリズムがバラバラでした」と自己分析しています。

 仲間のYさんのアドバイスは素晴しいアドバイスです。Yさんも「バックスウィングで右脚に荷重することでショットの安定感が増して、球の高さがいい感じになった」ということです。

フェアウェイウッドも無理せずコンパクトなスウィング 脚の動きと腰の回転に注目 惜しいのはアドレスでの頭の位置がステイ・ビハインド・ザ・ボールにはなっていないところ

 山田さんのスウィングはステイ・ビハンド・ザ・ボールが維持されていることが素晴しいポイントで

す。多くのゴルファーは頭と上体が突っ込んだ(左に流れた)スウィングになっています。ステイ・ビハンド・ザ・ボールは、別な言い方をすれば、頭(後頭部)を動かさない(右へ動いても左に流さない)ことです。クラブヘッドがスムースな円運動をするためには円の中心が動かないことが絶対条件です。それさえできれば、ゆったりした余裕のあるスウィングになり、ミスが大幅に減ります。フォローで腕が曲がる、フィニッシュがとれない人は是非ステイ・ビハンド・ザ・ボールを意識してみてはいかがでしょうか。ヒッカケやプッシュアウトもおおむねステイ・ビハンド・ザ・ボールが崩れたときに発生します。

山田さんのコースマネジメント 無理せず我慢とあきらめないゴルフ

 山田さんのコースマネジメントは「無理をしない、我慢する、ボギーは仕方ないがダボは叩かない」ことが基本だと言います。73というスコアのエージシューターの言葉とは思えぬ謙虚な言葉です。

 〇ドライバーはフェアウェイキープを第一に考える。飛距離はそこそこでいい

 〇OB、池、バンカーは絶対に避ける

 〇セカンド、サードショットはグリーンを外してもアプローチで寄せることができそうなところを狙う

 〇グリーンを狙うアイアンはフルショットではなく、80%のショットで狙う

  例えば、7Iのフルショットは150Yだが、むしろ6Iで軽目のショットで狙う

 〇アプローチはピンの手前が基本で、無理に寄せようとしない。ピッチアンドランが基本

 〇グリーン上では、距離感を大切にして、オーバーは避ける。パターを換えて方向性と距離感があった

 〇グリーンにのったら、2パットでOK,1パットはラッキーと考える

「大会では前半は35でしたが、後半は出だし3ホールで3連続ボギー、いつも通り後半はスコアを崩すかと思ったのですが、とにかくあきらめずに我慢を心掛けました。そのせいか上がり2ホールで2練続バーディーがきました」ということです。我慢とあきらめないことが大事だと教えられます。

エージシュートがでる備えとさらなる備え

山田さんのエージシュートには、ゴルフの基本が詰まっています。腰が痛かったために2日間休んだことで腰の状態が良くなったそうです。腰の具合で、スコアが91から73になっています。毎日1時間の早歩きの散歩とラジオ体操は見習うべき習慣です。日々の地道な習慣が体のコンディショにングの基本です。やっぱりゴルフは体が一番ということです。

クラブを調整したことがエージシュートに結びついた大きな要因になりました。今後はさらに精緻に調整していけば、次のステップアップが期待できます。パープレー、アンダーパーも見えてきます。

仲間のYさんの右脚荷重のアドバイスでステイ・ビハンド・ザ・ボールが安定し、余裕のあるスウィングになりました。とはいえ、アドレス時のステイ・ビハンド・ザ・ボールには少し問題があります。アドレスが修正できれば、無駄な動きが減って、スウィングの安定感はさらに増すことは間違いありません。

すべてのゴルファーに、エージシュートは黙っていても向こうから近づいて来てくれます。山田さんのエージシュートには見習うべきものが詰まっていました。是非参考にしていただければと思います。

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