中部銀次郎 寄せとパットの悟り 其の一

アプローチがスコアメイクの要。

上達すればショット力も上がる

 ショットの素晴らしかった中部さん。とりわけアイアンショットの切れ味は鋭かった。

 2番や3番といったロングアイアンでピンをまっしぐらに目がけていくショットに度肝を抜かれたというライバルは多い。

 青木功も「銀ちゃんのロングアイアンは俺より遙かに上手かった!」と今でも目に焼き付いているという。

 中部さんが日本アマを6度も制すことができたのも、そのショット力にあると誰もが信じている。

 ところが中部さん本人の認識はまったく違うのだ。

中部銀次郎

「私のショット力なんて大したことはありません。距離は出ないし、グリーンだって、2回に1回は外す。凄いと思っている人はたまたま私の調子の良いプレーを見ているに過ぎない。そんな私がいつでもパープレーであがれているのはアプローチが良かったからです。アプローチの練習はショットの練習の何倍もやった。そうでなければ、試合では勝てません」

 中部さんがアプローチの練習に精を出していた話はあまり聞かない。それは見ていても面白くない地道な練習であり、しかも転がし主体の地道なアプローチショットだったからだろう。

「トッププロでもパーオンは6割。アマチュアはもっともっと低い。アプローチでパーを拾うことこそがスコアにつながるんです。それなのに、アプローチの練習を熱心に行う人は少ない。ゴルフはスコアを競うゲームです。だったらアプローチを練習しなければなりません」

 中部さんが現実を語る。

「平均スコア72の人はアプローチに自信がある。80の人は今ひとつ。90の人は寄らない人。すべてアプローチ力で平均スコアが決まると言っていいんです。そして、アプローチ力が高ければ、ショット力も高くなる。グリーンを外しても寄せられるとなれば、ショットに余裕が生まれるからです」  だから、パープレーで回れるのだ。

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