YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年2月7日UP)

ステイ・ビハインド・ザ・ボールNo.2

頭と上体が左に流れる(突っ込み)スウィングのミスショット

ほとんどのゴルファーは頭と上体が左に流れています。バックスウィングで頭と上体が左に傾くとギッタンバッコンスウィングとなり、ダウンスウィングで頭と上体が左に流れると体が突っ込んだスウィングになります。

頭と上体が左に流れたスウィングでは高くて真っすぐなナイスショットは打てません。頭と上体が左に流れると、スウィングプレーンは中心が左にずれて左向きになります。その結果、クラブヘッドの軌道はアウトサイドインでダウンブローになります。

トラックマンでアマチュアのドライバーショットを計測すると、クラブパス(ヘッド軌道)は左向き(―表示になる、理想は0度)、アタックアングル(入射角)はダウンブローで下向き(―表示、LPGA平均+3度アッパー)です。そうなるとボールは上がらず、スライス・ヒッカケが多く、右へのプッシュアウトもでます。そこでアマチュアの多くの人は右手と右腕を使って修正しようとします。しかし、頭と上体が左に流れると手や腕ではクラブをコントロールすることはできません。

頭と上体が左に流れる原因

 頭と上体が左に流れる原因を理解して、そうならないようにする練習をしなければ、いくら手や腕の使い方を工夫してもスムースなスウィングはできません。

頭が左に流れる原因は、

〇アドレスでボールにあてることを意識し過ぎて目(頭)がボールに近づく(背骨が左傾斜)

〇アドレスで左脚荷重になっている(頭がボールの上にある、基本はドライバーは右脚荷重、そ

の他は両足均等荷重)

〇頭を動かさない意識が強く、目がボールから離れずにバックスウィングで頭が左に傾く(ギッ

タンバッコンでトップスウィングで右脚に荷重できない)

〇(オーバースウィングなどで)切り返しで右手に力が入りクラブを振りにいくために頭と上体

が左に流れる

〇切り返しで左への体重移動を意識しすぎる

これらに共通するポイントは体のバランスのくずれです。頭は約6kg(ボーリングのボールの

重さ)と重いために、バランスは頭の位置が大きく影響します。両脚均等荷重のアドレス(ドラ

イバーでは右脚荷重)、スウィングでは切り返しで十分な右脚荷重ができないと左脚荷重のスウ

ィングになって頭と上体が左に流れるスウィングになってしまいます。

ステイ・ビハインド・ザ・ボールの確認

 アドレスでもスウィングでも自分の頭や上体を自分で見ることはできません。そのために頭と上体の位置はどうしても意識が薄くなります。実際にステイ・ビハインド・ザ・ボールにトライすると、普段のスウィングの感覚とは全く違う感じになります。

多くの人にステイ・ビハインド・ザ・ボールをアドバイスすると、「えー、これじゃボールにあたらない」と言われます。アドレスを正しい位置に修正すると、ドライバーでは頭の位置が普段の位置より頭ひとつくらい右に寄ります。すると頭(眼)がボールから離れるためにボールの見え方がまるで違った感じになります。

 ドライバーでは「ボールを横から見る」というアドバイスがあります。簡単に言えばこのアドバイスにトライすることになります。ボールを横から見ると、ボールに当たらない感じがするというのは、普段ボールを(真)上から見ているためです。つまり頭の位置がショートアイアンかウェッジのような感じのアドレスになっているために、ボールを横ではなく上から見るようになっているのです。

 さらに「ボールをよく見る」「ボールから目を離さない」というアドバイスを実行しようとすると、せっかくボールを横から見たアドレスをしても、バックスウィングの始動で眼をボールに近づけてしまい、頭と上体がボールに被さるような感じになってしまいます。プロはスウィング中「ボールはぼんやりとしか見ていない」と言っています。

「スウィングで大事なことは、“頭を動かすな”と“テークバックで(右腰が)右に流れるな”だけです。このふたつをしっかり守れればきちんとしたスウィングはできる」と中部銀次郎が語っているのです。

(次回に続く・・・)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

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