YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年3月14日UP)

スウィングのチェックポイントは二つ 

右腰のスウェイと頭の左流れ その4

ステイ・ビハインド・ザ・ボールの準備

 ステイ・ビハインド・ザ・ボールは簡単にいうとインパクトのときに頭がボールの後ろにあることです。そのためヘッド・ビハインド・ザ・ボールということもあります。

しかし、ヘッド・ビハインド・ザ・ボールというと上体が左に流れて、頭だけをボールの後ろに残そうとして首を右に傾けしまう人がいます。これではスウィングの軸(首と背骨)が曲がってしまいます。それを避けるためには頭と上体をボールの後ろに残すというステイ・ビハインド・ザ・ボールのほうがイメージしやすいようです。

インパクトのときに頭と上体(軸)がボールの後ろにあるようにするためには、それ以前の準備が大切です。インパクトのときだけ頭と上体がボールの後ろにあるといっても、それ以前の構えと動きで頭と上体がボールの左あれば、それを右に戻すという複雑なことはできるものではありません。ステイ・ビハインド・ザ・ボールのためには、アドレスから準備すると無理なく行うことができます。

〇アドレス時の右脚荷重(アイアンでは両脚均等荷重が基本)・・・やりすぎくらいにかなり意識する

〇バックスウィングでは徐々に右脚に荷重する・・・右脚に荷重すると腰が回りやすくなる

〇切り返し(トップ)では十分に右脚に荷重する・・・しっかり右脚に荷重すると腰は自然回る。た

だし、スウェイすると腰は回らず、伸びる

 これらがステイ・ビハインド・ザ・ボールの大切な準備です。

ステイ・ビハインド・ザ・ボールの基本はアドレスから

切り返しからのステイ・ビハインド・ザ・ボール

スウィングのステイ・ビハインド・ザ・ボールの問題は、インパクト時にステイ・ビハインド・ザ・ボールができるかどうかです。せっかくアドレスとバックスイングで準備ができたとしても、切り返しから頭と上体(軸)が突っ込んでボールの上に被さるようになってはなんにもなりません。

ここでは安楽拓也は次のようなポイントをアドバイスしています。

〇トップでできた頭の位置を変えずにスウィングする・・・はじめはかなり難しい

〇ティーアップしたドライバーでフォローはクラブを上に振る感じ・・・手打ちスウィングは、はじめ

のうちはダフル

〇飛ばそうとして飛球方向(左)へ体を動かさない・・・明治の大砲の感じでもいい

〇飛ばそうとするほど、腕と上体の力を抜く・・・10Y飛距離を落とすつもりでスウィングする。ハー

フスウィングからトライする

〇ただし、あまりに頭を左に流さないように固定しようとすると、体が硬くなるために、上体に力を

入れずに頭を左に動かさないことを意識することが大事

アマチュアの場合、ほとんどの人がトップから手と腕でクラブを速く振ろうとします。慣性モーメントが大きくかかっているクラブを速く振ろうとすると、どうしても手・腕と上体に力が入ってしまいます。そしてボールを飛球方向へ遠くに飛ばそうとすると、からだは飛球方向(左)へ動いてしまいます。そうなると当然頭も飛球方向(左)へ動くことになります。そこに左脚の踏み込みや体重移動を意識しすぎると余計に頭と上体(軸)は左へ流れることになってしまいます。

 特に体重移動を意識すると頭と上体も左へ流れて、腰の回旋が止まります(腰が正面で止まる)。その結果、手と腕が通るスペースがなくなり、腕が曲がったつまったインパクト・フォローになります。

スウィングの基本は昔も今もステイ・ビハインド・ザ・ボール

ステイ・ビハインド・ザ・ボールの手順

 アマチュアでステイ・ビハインド・ザ・ボールが自然にできている人は限られています。普段はできている人でも、寒さ、暑さ、強い風、雨などの自然条件によってはステイ・ビハインド・ザ・ボールが崩れてしまうことがあります。 

全英OPに出場した中島常幸が冷たい雨の日の自身のビデオを見て「ものすごいアウトサイドインのスウィングになっている」とターフを示しながら解説していたことがあります。条件が悪くなるとどうしても眼がボールに近づき、左脚荷重になってしまいます。左脚荷重は頭と上体が左に寄りすぎた結果です。アウトサイドイン軌道になるのは左脚荷重になっているためです。しっかりと右脚に荷重するとダウンスウィングではクラブはインサイドから振り下ろされます。

 ゴルファーは条件が悪くなったり、苦手なクラブだったりすると、どうしても手と腕をつかって、クラブヘッドをボールにあてにいくスウィングになりがちです。ボールを上手く打つために、眼(頭)をボールに近づけたくなります。そのために左脚荷重で右肩が開いたアドレス・スウィングのカット打ちになってしまいます。

しっかりステイ・ビハインド・ザ・ボールのスウィングを行うためには、しっかりした準備と意識が必要です。セットアップからスウィング、特に切り返しが大事です。

ステイ・ビハインド・ザ・ボールの手順のイメージ

ステイ・ビハインド・ザ・ボールが出来ていないゴルファー人はアドレスから左脚荷重になっていることがあります。ドライバーでは右脚荷重というのは初心者のときに教わるアドレスの基本です。テークバックから切り返し・フィニッシュまで手や腕に力が入るとステイ・ビハインド・ザ・ボールになりません。ステイ・ビハインド・ザ・ボールはいわばスウィングの基本を実行するということです。

〇アドレス時の両脚への荷重のチェック

ドライバーのスタンスで右脚荷重を意識しても、グリップしたとたんに頭と上体がボールに被るようになることを注意する。右ひじを下向きに曲げたアドレスであるかをチェックする

〇テークバック

 右脚の踏み込みから始動する。手や腕でクラブを上に持ち上げない。自分で意識的にコックせずに、

 自然にできるコックに任せる。顔は右に向ける感じで、頭は右に動かす感じにする。

〇切り返しからフィニッシュ

 切り返しは手や腕(特に右手・右腕)でクラブを速く振ろうとしない。左脚への踏み込みを意識し過

ぎない。むしろ頭を右脚の内側にキープして右脚のけりを重視する。フィニッシュまで腰を回し切ることを意識する。

イメージは人それぞれですが、気づかなかったことがあれば一度お試しください。

 ステイ・ビハンド・ザ・ボールは感覚的に難しいと感じますが多くのミスが解消されます。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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