YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年4月11日UP)

ミスを減らすゴルフ その4 

プロキャディーの教え

アマチュアはスコアのマイナスを狙い、プロはスコアのプラスを避ける

アマチュアはスコア90(HC18)の人でもパーを狙います。スコア90(HC18)の人はボギーが標準のスコアです。狙ってパーがとれるなら、すでにスクラッチプレーヤー(HC0)です。

プロがバーディーを狙うのはパー5のホールくらいで、パー4やパー3はパーを狙います。そして何よりボギーを打たないことを最優先にします。賞金でいうなら、バーディーは+100万円、ボギーはー100万円となるかもしれません。

コースマネジメントの考え方で言うと、アマチュアはどうしたらスコアを減らせるかを考えます。それが“飛ばす、乗せる、寄せる、入れる”思考です。逆にプロはどうしたらスコアを増やさないかを考えます。言葉にすれば“フェアウェイキープ、安全サイドに乗せる、パットしやすいラインに乗せる、外してもOKになるように入れる”となります。アマチュアの思考に比べて、プロの思考は極めて安全思考です。

イ・ボミの帯同キャディーとして有名なツアー38勝のプロキャディー清水重憲はショットの考え方についてこんなことを語っています。

「プロキャディーになってから気づいたことは、プロゴルファーは基本的に安全運転を心がけているということです。それも勝つ選手は安全運転に徹し、若手や優勝経験のない選手のほうがガンガン攻めます。それに輪をかけて攻めるのがアマチュアです。トップアマと呼ぼれる人たちはその限りではありませんが、アベレージゴルファーはおしなべて攻める。

では、なぜ安全運転のトッププロがスコアを伸ばせるのかといえば、安全運転の延長線上で勝負しているからです。

ティーショット=ドライバーにあらず。2打目が打ちやすい(ところへ運べる)クラブが最優先です。2打目以降は風とボールのライに注意する。ラフのボールは深く沈んでいたら出すだけです。グリーンの形状から外していいところを見つける。プロがボギーを打たないのは、ボギーが出ないサイドからピンを狙っているから。グリーンでは一番高いところと、低いところを見つける。グリーンに乗る前に、一番高いところと低いところをチェックするのがライン読みの基本です」 

2017年の日本シリーズで初優勝した宮里勇作のキャディーをつとめた杉澤伸章は

「ゴルフはセイフティーシンキングが鉄則。それがいいスコアにつながるコツとなり、成功率の高いプレーを選択することが勝負どころとなります。

ところがなぜか皆、確率の低いほうへ低いほうへと選択していく。キャディーとしては『冒険しないほうがいいんじゃないでしょうか』とつぶやいています」

と語っているのです。

 もしアマチュアがプロキャディーと一緒にラウンドしたら、最初から最後まで自分の考え方と違うセイフティーシンキングのプレーをアドバイスされることは間違いなさそうです。アマチュアはナイスショットやパーではなく、ミスショットとボギーについてもっと考えるべきです。もし、この考え方を実践できたらスウィングやショットで苦労するより、間違いなく。しかも短時間でスコアはよくなります。

 これまでも、ドライバーが飛ばない・曲がる、フェアウェイウッドがあたらない、アプローチでダフル・トップする、3パットが多いという方々に、この考え方をアドバイスして何回も100切りが実現しています。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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