飛ばしの思考其の1(2022年4月11日UP)

「世界アマで優勝したニクラウスを見て、

飛距離が驚異のスコアになると思っていた」

 中部さんは下関西高でも甲南大学に進学してゴルフ部に入ったときも、飛距離にこだわっていた。それはその頃の中部さんのスイングを見てもよくわかる。とてもダイナミックなスイングで、フォローの大きさは半端なかった。

中部銀次郎の学生時代

「小学生のときにゴルフを始めて、父やその仲間、兄たちとプレーしていましたので、飛距離のハンデを随分と感じたものです。しかも私は体が弱くて父が健康になるようにとゴルフを始めさせたくらいですから、本当に飛ばなかった。だから、思い切りクラブを振っていたのです」

 こうして高校時代に大学生ばかりの関西学生選手権に出場し、予選を1位通過、メダリストになってしまう。学生たちに混じっても何とか勝負ができる飛距離を手に入れていたのだ。

 高校を卒業して浪人となったときに初めて日本アマチュア選手権に出場し、ここでも予選1位、決勝トーナメントでベスト4に入った。この年は世界アマチュアゴルフ選手権にも出場し、個人優勝したジャック・ニクラウスの驚異的な飛距離を目撃し、それが凄いスコアに繋がっていると感じてしまう。

 その翌年に甲南大学に合格、ゴルフ部に入るわけだが、やはりニクラウスのパワーが目に焼き付いている。大学の裏庭に作られた小さなゲージで、地面に置いたボールをアイアンで思い切り叩く。その打球音が凄まじかったと当時の部員たちが語っている。中部さんはダウンブローでしっかりとボールとその先の土をヒットしたのだろう。

 中部さんは当時を思い出して言う。

「学生時代は思い切りボールを叩いていましたから、そこそこ飛ばしていたと思います。しかし、その分、ボールは曲がった。よく林にも入れていました。そこから小さな隙間を狙うのだからボールが木に当たってキンコンカン。大叩きもしましたね」

 その頃の試合はマッチプレー。だから、勝負を賭けて失敗すれば、そのホールを捨てればいいと考えていたのだ。

「それが大きな間違いだったのです」

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