YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年4月18日UP)

ミスを減らすゴルフ その5 

スコアは足し算、ミスの足し算を減らす

どんなミスをしているかを知ることがミスを減らす第一歩

アマチュアがミスをなくせない大きな理由は、ラウンド中に自分がどこでどんなミスをするのかを知らないことです。

どんな状況でどんなミスをしているのか、どんなミスがどんな確率ででているのかが分かれば、ミスの原因が分かり、練習でそれを克服することができます。しかし自分がどんなミスをしているかを知らなければ直しようがありません。

飛ばない、スライス、低い球をミスだと考えることがその根本的な原因として考えられます。だからこそ多くの人は、飛ばし、ドロー、高い球を見ると目を輝かすのではないでしょうか。

2012年に43才で賞金王となった藤田寛之は高校1年生の夏休みの1カ月間キャディーのアルバイトをやったそうです。驚くべきは、その1カ月の間に平均スコアが85から75と平均ストロークが10打縮まったということです。「ノートにホールの図を描いて自分が打ったボールの位置と飛球線(ルート)を書き込み、何が悪かったかをメモしただけ。まず、もっとも多くミスしているものが何かを探します。練習すべきテーマを絞って、ひとつひとつ順番に課題に取り組んでいきました」と語っています。

                             

アベレージゴルファーの方から「どうしたら飛ぶようになるか」「どうしたらナイスショットを打てるか」と聞かれることはあっても、「どうしたらミスをなくせるか」ということはほとんど聞かれたことはありません。

練習場で飛ばすこととナイスショットを打つことばかりやっていても、ミスはなくなりません。アゲインストの風でもいつも通りネットまで飛ばそうとしているのはミスの練習をしているようなものです。左からの風が吹いていればボールは右に曲がります。その時は、右に曲がるボールがナイスショットです。ところが風が左から吹いていても、右手をこねて無理やり真っすぐに飛ばそうとする人がいます。それではミスの練習をしていることになります。アマチュアが、飛ばすこととナイスショットを打とうとする練習は、むしろミスの練習をしているようなものなのです。

中部銀次郎は「ゴルフはミスのゲームである。ミスをどれだけ防ぐかが、問われる競技なの

である。したがってミスが必ず発生することを前提にゲームプランをたてなければ噓である。そのプランをどれだけ精密にたてられるかによって、結果が大きく変わってしまうのが、このゴルフという遊びなのだと言っていい」とアドバイスしています。

アマチュアは自分のミスがよく分かっていません。飛ばない、低い球、スライスをミスだと勘違いしています。「トップボールはミスではありません」とよくお話します。それには理由があります。トップボールならそこそこ距離がでて、しかもほとんど狙った方向に飛んでいきます。むしろナイスショットを打とうとして右手のしゃくり打ちでダフルと、距離がでずにボールは左右どちらにも曲がります。

まずは自分のミスを正しく知ることだけでも、ミスが減ってスコアがよくなることは間違いありません。ミスショットを知る方法はいたって簡単です。自分のショットを最後まで見届けるだけです。それだけでショットはよくなり、みるみるスコアはよくなります。とても簡単なことです。実際に練習場で1球1球、それがたとえミスショットでも最後まで自分のショットを見届けているでしょうか。はっきり言ってプロや相当の上級者を除いて、そういう人を見たことがありません。

(・・・次回に続く) 文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

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