飛ばしの思考其の3(2022年4月25日UP)

「ゴルフは飛距離を争うゲームではない。

スコアを争うゲームです」

 ゴルフは1人で回ることはほとんどない。4人で回ることも多い。こうなると、どうしても飛ばしたくなる。

 中部さんは言う。

「人間の本能というか、動物の本能というか、飛距離で負けたくないという気持ちがなぜか出ちゃうんですね。一緒に回っている中で一番飛べば嬉しいし、飛ばなければ悔しい。その気持ちは抑えようがわけです」

中部銀次郎

 子供の駆けっこのように、一番速く走りたい。飛ばしもそれと同じなのだ。

「私も若い頃はそうでした。飛距離の出る人と一緒に回ると、どうしても力が入るわけです。その人に勝てないと思っていても飛ばしたくなる。たまにその人が当たらなくて、私のほうが飛んだりすると嬉しい。それは誰にでもあると思うのです。ところがそうなると益々飛ばしたくなってさらに力んでしまう。結局、ボールを曲げることになってしまうわけです」

 力むと曲がるし、当たらなくもなる。

「でも、ボールを曲げて崩れたら、スコアにならない。飛ばしたいのはわかるけど、ゴルフは飛距離を争うゲームではありません。槍投げや砲丸投げではないわけです。いくら飛ばして良い気持ちになっても勝てません。ゴルフはスコアを争うゲーム。だったら、飛ばそうなどとは思わないことです。スコアを縮めるためにはショットを曲げないこと。大叩きがなくなるからです。パーがキープでき、悪くてもボギーではあがれる。だから、飛ばす気持ちを捨て去ること。それだけで力むことがなくなり、曲げることがなくなります」

 それは、一緒に回る人の飛ばしを気にしないということでもある。

「飛ばす気持ちがなくなって、フェアウェイに打っていくうちに、スコアは自然に良くなります。正確に打とうと思わなくても、スイングが良くなるのでショットも良くなる。そうなると、飛ばしていた人のほうが焦ってくる。さらに飛ばそうとしてショットを曲げ、スコアを崩してしまうのです。結果、自然に勝つことができるわけです」

PAGE TOP