YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年7月11日UP)

ゴルフの方程式 

スウィングの項を解く その2

スウィングの解

ベン・ホーガンの『モダン・ゴルフ(Five Lessons of The Modern Fundamentals)』は今なおゴルフの基本的なテキストです。原題を直訳すれば「“近代的ゴルフの5つの基本のレッスン」でしょうか。このうち第1章はグリップ、第2章スタンスと姿勢、第3章スウィングの第一部、第4章スウィングの第二部、第5章は要約と復習です。つまり『モダン・ゴルフ』の半分はグリップとセットアップについて解説しているのです。そして第5章要約と復習では「正しいセットアップができれば、スウィングで意識することはそれほど多くはない」とアドバイスしています。

 ところが多くのアマチュアはセットアップをないがしろにして、スウィングばかりを意識します。そしてそのほとんどは手と腕の使い方に集中しています。

アマチュアの場合、飛ばそうとすると手と腕でクラブを速く振ろうとします。その時下半身が止まり、頭と上体が大きく動く人がほとんどです。下半身主導の体幹の捻転というスウィングの動きは非日常の動きで簡単にはできません。そのために頭を動かさずに手と腕の力を抜いてただクラブを振る、つまり素振りのスウィングをするとスムースなスウィングになります。

また、パッティングでカップインを狙ってパッティングすると、頭と上体が動いてカップから外れてしまいます。これは1mくらいの短いパットのとき、特に顕著になります。

スウィングで手や腕を使って何かしなければクラブが振れないということは、体、クラブ、セットアップ・グリップの何かでミスをしているのです。スウィングやストロークはその前の準備、つまり体、クラブ、セットアップ(スタンス・アドレス・ボールの位置)とグリップの結果でしかありません。

スウィングの解が解けないもう一つの要因

たとえ入念に準備ができたとしてもスウィングは崩れます。その要因は、無理に飛ばす、乗せる、寄せる、入れるという意識、欲望とそれに伴う不安です。欲望が大きくなればなるほど、失敗したときの不安も大きくなります。そのために心はいつも穏やかではいられません。メジャーチャンピオンの一人、デイブ・ストックトンは「無意識のゴルフ」をアドバイスしています。構えたら、あとは何も考えずにスムースにクラブを振るだけなのです。

 レッスンの神様 ハーヴィー・ペニックは「あなたの素振りは世界一美しい」と語っています。

ドラコンプロのはしり、岩間健二郎滝安史は、師匠のプロゴルファー森田吉平の指導で毎日1000回のマン振りの素振りをノルマにしていたといいます。

 野球、テニス、卓球、剣道など道具を使うスポーツの練習の基本は素振りです。なぜかゴルフでは熱心に素振りをする人がいません。練習場は球を打つだけのところなのでしょうか?

 先日ある方が見事に全日本グランドシニアアマチュアゴルファーズ選手権で予選を突破して、全国大会決勝の出場を決めました。その方は「元旦から毎日、1日たりとも素振り100回を欠かしたことがない」と語っていました。年齢は75才です。

 スウィングの解は実に簡単です。それは素振りです。素振りは、余計なことを何も考えないし、余計なことを何もしないからです。

 アベレージゴルファーの方にスウィングを見てくれと言われると、まず素振りを何回かしてもらいます。そしてセットアップをチェックし、グリップを柔らかく持つことだけアドバイスします。そして、普段意識していることをすべて忘れ、何もしないでスウィングしてもらいます。もちろん飛ばそうなどと思わないように、ターゲットはいつもより10Y以上手前に設定します。するとほとんどの人が「アレー、何もしないのに飛んだ」「楽にスウィングができた」となります。もちろん球は曲がりが少なくなり、球の高さは高くなって、飛距離はターゲットより飛びます。

 ハーヴィー・ペニックは素振りについていくつかのアドバイスをしています。

 〇素振りは何か目標をつくって、そこを打つこと

 〇重いクラブをゆっくり、スローモーションで振ること

 〇伝統的な完璧スウィングを、毎日10回から20回行うこと

 最後に一つ、ベン・ホーガンはアマチュアに「スウィングは手や腕ではなく、下半身主導で行うこと」とアドバイスしています。

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

(・・・次回に続く)

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