中部銀次郎 飛ばしの心 其の一

飛ばしはナイスショットをしてこそ。

いかにしてナイスショットを打つか?

 中部さんのショットは綺麗に伸びていくストレートボールだった。仮に曲がるとしても少しだけのフェード。ドローを打つことはなかった。

 中部さんは言う。

「僕は飛ぶほうではなかった。もちろん、少しでも飛べばいいなと思っていたけれど、学生時代から体が大きなほうではなかったし、スリムなほうだったので、それを望んでも仕方ないと思っていた。それだけに目標にしっかりと打てるようになることを考えた。とはいえ、いつでも自分ができる最長飛距離で戦いたいわけで、それには常にナイスショットをする必要があった」

 つまり、自分の肉体的な能力以上に飛ばそうとは決してしなかった。そんなことをすれば、ナイスショットにはならないことを知っていたからだ

「コースに行ってから飛ばそうと思っても飛ばせるものではありません。それなのに、自分の能力以上の飛距離を求めるから、ミスショットを招くわけです。飛ばそうと思えば、打つ前から力んでしまい、スイングのテンポやリズムを狂わせ、バランスを崩してしまうことは明白です。故にヘッドスピードは落ち、クラブの芯に当たらず、結果飛ばないということになります」

 つまりは、いかにナイスショットを打つことができるかが、飛ばしの心だというわけだ。

「コースに出たら、自分の能力以上の飛距離は求めない。良いスイングを行って、クラブの芯でボールをとらえ。ナイスショットを放つこと。それがあなたの最長飛距離をもたらすわけです。飛ばそうとは思わず、ナイスショットを放とうと思うこと。それが最も重要なことです」

中部銀次郎
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