YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年10月10日UP)

いいゴルフの基本 からだ その4 

スムースなスウィングのための準備 1

 体はいきなり動かそうとしても思い通りに動きません。無理に動かそうとすると怪我をします。ゴルフは歩くこととスウィングすることから成り立っています。そのとき体が思うように動かなければ望むようなプレーはできません。今回は動ける体の準備について、引き続き埼玉医科大学のかわごえクリニックの理学療法士、濱田勇志さんに伺います。

股関節、胸椎、肩甲骨の動きをスムースにするストレッチ

●一般的にスウィングは腰と肩の回転と言われますが、厳密に言えばスウィングは股関節と胸椎+胸郭の回旋+肩甲骨・肩関節だということがわかりました。これらをスムースに動かすために、柔軟性を維持向上させるためにはどのようなストレッチやトレーニングをすればいいのでしょうか。

濱田 関節の柔軟性を維持向上させるためには、定期的なストレッチが重要です。日常生活の入浴後などに取り入れるストレッチとしては、1回のストレッチに30秒程度かけて、じっくりと筋肉や関節を伸ばすスタティックストレッチを実施する方法が良いと思います。

回旋という動作にフォーカスし、胸椎と股関節のストレッチ方法を写真に示しました。併せて柔軟性の確認方法として、胸椎は肩が床につくかどうか、股関節は両脚を開いたときに45°以上開くかどうかをチェックしていただけると良いと思います。

図1 横向きで上の手を頭の後ろ、下の手は膝を抑えて体を捻じる。体を開いたら深呼吸をする

   肩の後ろが触れるのが正常

図2  足を伸ばした姿勢で座り、片方の膝を内側に向ける。内側に向けた膝の上にもう片方の足を乗せて、内側に向けた足の股関節を捻じる 両脚が45度以上開くのが正常

●怪我を予防する、運動のパフォーマンスを上げるためには胸椎と股関節のほかに、どの関節を意識してどのようなストレッチやトレーニングをすべきでしょうか。

濱田 胸椎にも通ずる部位となりますが、肩甲骨が外に開いていく(外転)可動性を保つことも重要な要素の1つであると思います。方法としては、片方の腕で反対膝の外側を掴んで膝を開くようにするとストレッチができます(図3)。また、スイングの土台となる体幹・下肢筋力をバランスよく鍛えることができるスクワットをやっていただくと良いのではないかと思います。スクワットはゴルフ競技に特化し、股関節内転筋群(内もも)に特化したワイドスクワットがお勧めです(図4)。スクワットは股関節から曲げることを意識して、骨盤-背中が直線上であり、膝はつま先よりも前に出すぎないよう注意すると良いと思います。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

図3 肩甲骨を外側に      図4 腰と背筋を伸ばしながら行うワイドスクワット 広げる方法

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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