YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年10月31日UP)

体が動けばいいゴルフができる その1  

スウィングは股関節と胸椎の回旋

ゴルフの基本は体 股関節と胸椎のスムースな回旋を目指す

 ゴルファーの体について埼玉医科大学かわごえクリニックの理学療法士、濱田勇志さんからお話を伺いました。濱田さんは昨年ゴルファーの腰痛予防のためのウォームアップについての研究」を行いました。実験にはこのNewsの読者の方も参加されています。その結果、左股関節を柔軟にすると腰痛を防ぐことができ、またフォローとフィニッシュがスムースで大きくなると報告されています。そのためにも練習やラウンド前には10分以上、ウォームアップすることをアドバイスしています。

 練習場ではクラブを変え、いろいろなテクニックを駆使して飛ばしとナイスショットを打とうと頑張っているゴルファーがおおぜいいます。しかし、多くのゴルファーはウォームアップやクールダウンをしません。それでゴルフが上手くなりたいと考えるのは間違いです。ゴルフの基本の基は何と言っても動ける体です。ゴルフの上達を望むなら、体を意識しなければいけません。

中部銀次郎も体について繰り返し語っている

中部銀次郎は常に姿勢がよかったそうです。お酒を飲むときでさえ姿勢が崩れることはなったといいます。

正しい姿勢とは歪みがない自然な姿勢です。中部銀次郎は普段の生活から体を意識していました。それはまさにスウィングの核心である動ける体、つまりスムースに動く股関節と胸椎+胸郭と肩甲骨の正しいポジションをつくる準備だったとも言えます。

中部銀次郎は体について次のように語っていました。

「ゴルフに関して改めて強調しておきたい点がある。それは“自然に立つ”ということだ。ゴルフに関して唯一、説明できることがある。それが“立つ”こと―――アドレスだ。スイングに入る前の姿勢のよしあしなら、自分の頭でいくらでも考え、チェックしていくことが可能である。そして日々確認することだ。僕の場合は左足に体重をかけて立つことではじめて真っすぐに立つことができます。それが確認できました」

「歩く速度や姿勢を軽視しない。やはりいいゴルフをしている人は歩く姿もいいし、スコアがよくない人は歩き方にも張りがない。姿勢の悪い状態で歩くと、アドレスして構えたときに悪い姿勢がそのまま構えにもあらわれやすいんです。もしそうなれば、背中の曲がった状態で構えることになり、スウィングのセンターができにくくなる。それではナイスショットが打ちにくくなる」

ゴルフのときだけいい姿勢を作ることは不可能です。だからこそ普段の生活から正しい姿勢を意識すべきです。中部銀次郎が語る体の意識は科学手的にも正しいものです。

 正しく立つことは、骨盤・脊椎が真っすぐ(脊椎は自然に湾曲)で重心が体の中心にある。体に歪みがなく、動ける体の基本中の基本となる。背筋が伸びたいい姿勢とは、骨盤から前傾した自然に湾曲した脊椎の状態です。スウィングとは骨盤の回旋と胸椎(鎖骨からみぞおち当たりの背骨)の回旋です。猫背や反り腰(無理に背中と腰を伸ばす)ではスムースな骨盤と胸椎の回旋はできません。背筋が伸びたいい姿勢とは、骨盤と胸椎がスムースに回旋する基本となります。

姿勢を正して大股に歩くことは、股関節を柔軟に動かすことになります。狭い歩幅で足をひきずるような歩き方では動ける体はできず、いいアドレスとスムースなスウィングはできません。

また、中部銀次郎は日々ラジオ体操をするだけでもスコアはアップすると語っていました。たったそれだけと思いがちですが、練習場やラウンド前にどれほどのゴルファーが入念にウォームアップをやっているでしょうか。クールダウンやマッサージなどのケアを行っているでしょうか。何気ないことですが、ゴルフの基本の基を語っているのです。いい姿勢を意識することと大

股で歩くことを意識してみてはいかがでしょうか。それだけでいいゴルフができるはずです。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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