
「歌いながらスイングせよ」これぞナチュラルスイング
サム・スニード
アメリカの片田舎、ヴァージニア州の山奥に生まれ育ったサム・スニードは生来の野生児。木登りや山登りで鍛えた足腰は粘り強くバネがあり、100m走をすれば10秒フラットで走ったとも言われる。そんな運動神経抜群の男がゴルフ界に入ってきたからさあ大変。
流れるようなスイングから繰り出されるショットは、野球で言えばどれもがセンターバックスクリーン直撃のライナー性のホームラン。これを間近で見て、ツアーを引退した選手も出るほど。しかし本人はそんなこと、お構いなしにドッカーンと打って優勝をかっさらっていく。運悪く全米オープンだけは2位が4回と獲れなかったが、その他のメジャーはすべて獲って7勝、PGAツアー優勝は82*と史上最高の勝ち星を挙げている。
「おらあ、フック、スライス、高い球、低い球、どんな球でも心に思うだけで打てる」とヒルビリー(山男)丸出しのひどい訛りで言ったそうだ。とはいってもスイングは「スニードナチュラル」と呼ばれる誰もが憧れるリズミカルなもの。野卑なジョーク連発のトークとは比べものにならない美しいスイングだった。
なぜ、そんなに美しいスイングで打てるのかと聞くと、こう言ったという。
「そりゃあ、おらは歌いながらスイングしてるもんなあ。みんな、そうすりゃあ、打ち急がなくてすむさ。フフンってハミングしながら打てばいいのさ」
「タンポポの花を打つようにスイングせよ」とも言ったとか。野山でハイキングをするようにゴルフをする。それこそが「スニードナチュラル」の極意である。
*タイガー・ウッズが2019年10月のZOZO CHAMPIONSHIPの優勝でスニードの偉大な記録に並んだ。 SAM SNEAD 1912年5月27日生まれ。2002年5月23日、脳卒中により89歳で他界。ゴルフスタイルは流れるようなワンピーススイングのロングヒットと横向きのサイドサドルパッティングで有名。天性の運動神経で卓越したプレーをしていた。無骨な山男だったが、明るく楽しい性格で人気も高かった。
偉人たちの永遠の言葉
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