YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年11月7日)

体が動けばいいゴルフができる その2 

スウィングの意識と感覚を変える

スウィングは股関節と胸椎・胸郭+肩甲骨の回旋

体の状態が良いと、自然と良いアドレスになります。良いアドレスはスムースなスウィングをもたらします。そのためショットは自分でも信じがたいほどのナイスショットで飛距離も出ます。そして何よりクラブが軽く感じられるものです。

良いゴルフをするためには姿勢が大切です。姿勢が良ければ良いアドレスに繋がり、良いアドレスは良いスウィングに繋がります。良い姿勢ができないと良いアドレスができず、良いアドレスができないと手や腕や体の一部を使って(デスムーブ、ミスの上塗り、余計な動き)スウィングすることになります。

 グリップはゆるゆるなのに、バックスウィングでコックをつくる、ダウンスウィングでは右わきを絞める、インパクトでは右手を返すというように、自分で動きをつくると矛盾します。コックをつくる、脇を絞める、右手を返すということは、手と腕に力を入れなければできません。ゆるゆるグリップでは不可能です。

 理学療法士の濱田勇志さんに伺ったスウィングの基本は、股関節と胸椎・胸郭+肩甲骨の回旋でした。これは人体の構造上、誰でも同じ動きになります。股関節と胸椎・胸郭+肩甲骨を意識すると、一般的に言われている “腰を回す”と“肩を回す”とは若干違う感じがします。

 何も意識しないと、“腰を回す”はお腹・腰(へそのあたり、腰椎)を回す感じ、“肩を回す”は文字通り肩(肩頭・肩峰)を回す感じではないでしょうか。ところが股関節と胸椎・胸郭+肩甲骨を回旋することを意識して少し時間をかけてやり続けると、股関節回旋は両足の付け根(鼠径部・太もも・大腿部)と下腹部(丹田・下腹部)、胸椎・胸郭+肩甲骨の回旋は胸・みぞおちと背中を意識する感じになるのではないでしょうか。

腰は脚の付け根(太もも・大腿部)・へそ下の腹部(丹田)、肩は胸・みぞおち・背中を意識する

 股関節は一般的に言われるお腹(へそのあたり、腰椎)より少し下の部分になり、胸椎・胸郭+肩甲骨はみぞおち・背中となり方より少し下の部分になることに気付きます。この感じがつかめると、それまでのスウィングが本来動かすべきではないところを動かしていたことに気付きます。

 

普段意識している腰は腰椎で構造上ほとんど回旋しません。回旋できないところを動かそうとすれば怪我をします。

また肩は鎖骨の先端(上腕肩頭・肩峰)であって、胸椎が回旋した結果として回転して見える部分です。この鎖骨の先端を一生懸命動かそうとしても体幹が回転することはなく、多くの場合は上体のスウェイか肩の上下動になります。いづれにしても間違って肩を回そうとすると、股関節の回旋が緩むことになり、スウィングの半分以上の機能が減少することになります。

スウィングの回転は、主に股関節の回旋45度+胸椎の回旋30度によるものです。この主要な動きをスムースに行うには、手・腕・肩という体の先端部ではなく、体の中心の部分を意識すべきではないでしょうか。つまりそこは大きな筋肉(腸腰筋、背筋、腹筋、大腿筋、大殿筋など)があるところです。

 スウィングはシンプルに考えたいものです。その原理は、体が自然に動ようにスウィングすることです。手や腕のテクニックでボールを打つことではないのです。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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