
「ヒット・イット・ハード。思い切り叩け!」
アーノルド・パーマー
「ドゥスポーツ」であるゴルフを「観るスポーツ」にもしてしまったのがこの人、アーノルド・パーマーである。普通のゴルファーにはできないミラクルを次々と起こしてくれるのだから、人気が出るのは当たり前だ。
ドライバーはとにかく渾身の力を込めて打つ。だから凄く飛ぶが、曲がりも半端じゃない。ダッグフックで林にぶち込むこともしばしば。しかし、パーマーはちっともめげない。かえって闘志をむき出しにして、前方の小さな穴を目がけて、グリーンにミラクルオン。ギャラリーはやんやの喝采を上げる。
ボールがフェアウェイにあるときは、当然、ピンしか目がけない。ピンをデッドに狙ってバーディラッシュだ。パットだってショートなんかしたことがない。どこからでも「一発」を狙うのだ。
危険を顧みぬ勇敢な人間。その頃のアメリカ人が最も好きだったヒーロー、ジョン・ウェインがコースに出現しているのだからたまらない。数あるピンチを凌ぎきって最後には栄光を手にする。
「ヒット・イット・ハード」
パーマーがプロである父から習ったレッスンはその一言だけだった。「思い切り叩け!」。攻撃こそ最大の防御。ドライバーで曲げたって、まだまだパーは取れるし、勝てる。トラブルショットこそ、プロの醍醐味とばかりに果敢に挑んで成功させたのだ。
マスターズに4勝し、USオープンにも全英オープンにも勝ってしまう。まさに’60年代のヒーローだった。
ドライバーが曲がらないチタンになって、しかもフェアウェイキープ率を重んじるプロばかりになった昨今。ああ、パーマーが懐かしい。
ARNOLD PALMER
1929年9月10日、ペンシルバニア州ラトローブ生まれ。2016年9月25日逝去。5人兄弟の長男。’54年全米アマ優勝、’55年プロデビュー、’58年マスターズ初優勝、以後、’60年、’62年、’64年に優勝。全米オープンは’60年に優勝。全英オープンは’61年と’62年に優勝。
偉人たちの永遠の言葉
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