偉人たちの永遠の言葉10(2022年12月5日)

AUGUSTA, GA – APRIL 1958: Arnold Palmer smiles during the Presentation Ceremony at the 1958 Masters Tournament at Augusta National Golf Club held April 3-6, 1958 in Augusta, Georgia. (Photo by Augusta National/Getty Images)

「ヒット・イット・ハード。思い切り叩け!」

アーノルド・パーマー

「ドゥスポーツ」であるゴルフを「観るスポーツ」にもしてしまったのがこの人、アーノルド・パーマーである。普通のゴルファーにはできないミラクルを次々と起こしてくれるのだから、人気が出るのは当たり前だ。

 ドライバーはとにかく渾身の力を込めて打つ。だから凄く飛ぶが、曲がりも半端じゃない。ダッグフックで林にぶち込むこともしばしば。しかし、パーマーはちっともめげない。かえって闘志をむき出しにして、前方の小さな穴を目がけて、グリーンにミラクルオン。ギャラリーはやんやの喝采を上げる。

 ボールがフェアウェイにあるときは、当然、ピンしか目がけない。ピンをデッドに狙ってバーディラッシュだ。パットだってショートなんかしたことがない。どこからでも「一発」を狙うのだ。

 危険を顧みぬ勇敢な人間。その頃のアメリカ人が最も好きだったヒーロー、ジョン・ウェインがコースに出現しているのだからたまらない。数あるピンチを凌ぎきって最後には栄光を手にする。

「ヒット・イット・ハード」

 パーマーがプロである父から習ったレッスンはその一言だけだった。「思い切り叩け!」。攻撃こそ最大の防御。ドライバーで曲げたって、まだまだパーは取れるし、勝てる。トラブルショットこそ、プロの醍醐味とばかりに果敢に挑んで成功させたのだ。

 マスターズに4勝し、USオープンにも全英オープンにも勝ってしまう。まさに’60年代のヒーローだった。

 ドライバーが曲がらないチタンになって、しかもフェアウェイキープ率を重んじるプロばかりになった昨今。ああ、パーマーが懐かしい。

ARNOLD PALMER

1929年9月10日、ペンシルバニア州ラトローブ生まれ。2016年9月25日逝去。5人兄弟の長男。’54年全米アマ優勝、’55年プロデビュー、’58年マスターズ初優勝、以後、’60年、’62年、’64年に優勝。全米オープンは’60年に優勝。全英オープンは’61年と’62年に優勝。

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