YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年12月5日)

体が動けばいいゴルフができる その6

体の歪みを活かす 

何よりも体を意識する

人間の体は前後左右対称ではありません。必ず歪んでいます。ゴルフでは歪みのない体が求められますが、完全に歪みをなくすことはできません。そうしたなかで特にスウィングではさまざまなテクニックがアドバイスされます。往々にしてそのアドバイスが真逆のこともあり、アマチュアを悩ませることになります。

 ショットはセットアップとスウィングの結果であり、セットアップもスウィングもベースは体になります。自分の体がスムースに動く、そして自然にナイスショットが生まれるクラブを使えばいいだけなのです。

 ところが多くのアマチュアは動けない体で、工夫しなければナイスショットが打てないクラブで日々悪戦苦闘しています。体もクラブもいつも100%ということはありません。体が動ける状態なら、多少のクラブのミスセッティングはほとんどカバーできます。実際に練習でもラウンドでも体が動けるときはナイスショットが簡単に打てることがあります。

「うで体・あし体」に学ぶ 体の歪みの活かし方

体の歪みに着目して体の動かし方を活かす。このことを提唱しているのがトレーナーの鴻江寿治さんです。「うで体・あし体(骨幹スイング;骨格を活かすスウィング)」という言葉で、説明しています。プロ野球ソフトバンクの千賀滉大投手、ジャイアンツの菅野智之投手やソフトボール日本代表の上野由岐子投手などが、「うで体・あし体」の調整法で成果を上げています。ゴルフでも、初優勝から好調を維持している堀琴音が成果を上げています。

 人間の体は誰でも図のように歪んでいます。「うで体」は猫背タイプ、「あし体」は反り腰タイプとも言います。実際にキャディ―バッグを片方の肩にかけるとよくわかります。どちらかの肩は簡単に担げるのに反対側の肩だとすぐにずり落ちてしまいます。これは若干修正することはできても完全に修正することはできません。

「うで体・あし体」の解説

鴻江寿治トレーナーが説明しています。

「〈うで体〉は腹筋がメインエンジン、腕でリズムを取るタイプです。骨盤の向きの影響からバックスイングからインパクトまでが勝負。腹筋をメインにクラブを左手で引き下ろし、ローフェードを打つイメージで練習すると一番効率的な体の使い方になります。

 逆にフォローまでボールを押し込むイメージを持つと実際の動きでは振り遅れやすくなるので要注意。

〈あし体〉は全く逆で、メインエンジンは背筋で、リズムは足で取ります。インパクトからフォローまでが肝心でボディターンのイメージを持つと良いタイプです。たとえばバケツの水をフォロースイング側に放り投げるように背筋と地面反力を使うイメージ。右手の平でボールを押し込んでいけるようになると無理なくラクに飛ばせるようになります。

「うで体・あし体理論」には、スイングだけでなく“道具”も大事な要素で、クラブ・ウェア・シューズの選び方まで自分の体に合う、合わないが存在します」

 ゴルフは体から考えることが正しい手順です。ご注意ください。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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