YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2022年12月12日)

体が動けばいいゴルフができる その7

骨格のスウィング

 体は左右前後に歪んでいます。利き腕、利き足、利き目と同じです。その歪みは体の動かし方や力の出し方にも影響します。体の歪みは少ない方が体をスムースに動かせます。しかしそれにも限界があります。ある程度の歪みは許容して、その歪みを活かすセットアップとスウィングを目指すことも必要です。そうすると、今までにない感覚でスムースなスウィングになるかもしれません。セットアップとスウィングを骨格から考えるので、「骨格のスウィング」と呼ぶとわかりやすいかもしれません。手や腕の使い方でも力のスウィングでもありません。

「骨格のスウィング」は前回に紹介した鴻江寿治さんが提唱している「骨幹スウィング」です。これは「うで体」と「あし体」があります。お腹に力を入れてスウィングするのは「うで体(猫背タイプ)」の感覚で、背中を意識するのは「あし体(反り腰タイプ)」の感覚です。レッスンでもこのふたつを間違えるといつまで経ってもスムースなスウィングはできません。 

クラブ・セットアップとスウィングのアドバイス(骨幹スウィング)

「うで体・あし体」のクラブのアドバイス

「うで体」のクラブ選びの合言葉は「ヒール寄り重心×つかまり顔」です。良いインパクトを迎えると打ち出し角が低めで、スピン量が少なめのライナーボールになります。そのスイングの特性を生かし、最大飛距離を引き出すヘッドの構造は、中~高弾道用でスピン量が比較的多めに入るもの。ドライバーならヒール重心のシャローフェースが合い、自分にとって少し軽めのスイングバランスにすると尚良いです。

 振り心地が重すぎるクラブは骨盤の開きを強くします。強くなった歪みはショートパットに

まで影響するので、必ず振り心地を確認しましょう。

「あし体」の人のクラブ選びの合言葉は「トゥ寄り重心×叩ける顔」です。アッパーに入れてハイドローが持ち味の「あし体」が良いインパクトを迎えると、打ち出し角が高めでスピンも多めになります。スイングの特徴を生かして最大飛距離を得るには、ヘッドの構造が低~中弾道用で、スピン量が比較的少なくなるものを選ぶことです。ドライバーでいえば重心距離が長いトゥ寄り重心のディープフェースが合い、自分にとって少し重めのスイングバランスにするとなお良いです。

「うで体・あし体」のセットアップとスウィングのアドバイス

「うで体」のスタンスは谷口徹のようにクローズで懐が深く、ボールの位置はヒール寄りが合う。スウィングはストレート・トゥ・インサイドが合う。

「あし体」のスタンスは出水田大二郎のようにオープンですっと構え、ボールの位置はトゥよりが合う。スウィングはインサイド・トゥ・ストレートが合う。

 他の人からアドバイスを受けるときはたとえプロのレッスンでも、注意が必要です。うで体の人があし体の人に(逆もある)アドバイスすると真逆のアドバイスになることがあるからです。

 セットアップやスウィングのチェックポイントで上手くいかない場合は逆のことをやってみるのもいいのではないでしょうか。体を基本にしたメソッドには横田真一で有名になった「4スタンス理論」や内藤雄二の骨格から考えるスウィングなどもあります。一人一人の体の特徴を理解したうで練習すると上達のスピードは格段に速くなります。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2022

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