YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits その1

ゴルフの練習で大切にしたいもの その1 スタンス

 新型コロナが蔓延しています。新型コロナに感染するとゴルフどころではありません。寒い冬でも元気なゴルファーはラウンドや練習に励んでいます。ゴルファーは健康が第一です。

 年末にはグリップを交換し、キャディ―バッグの底にたまったゴミも掃除して新しい年に臨んでいるのではないでしょうか。ツルツルのグリップでゴミ箱みたいなキャディーバッグでは上達は望むべくもありません。

 ゴルファーは、毎年今年こそは、100を切りたい、ベストスコアを更新したい、コンペで優勝したいなどとそれぞれ目標(夢)を持ちます。これが単なる目標(夢)になるか、実現できるかは日頃の練習次第です。

練習で大切にすべきもの

 練習場では打席に着くとすぐにクラブをもってフルスウィングする人がいます。打ち放題では1球でもたくさんの球を打たなければ損だと次々と球を打つ人がいます。しかし残念ながらこうした練習では上達は望めません。

 練習というとスウィングの練習だと思い込んでいる人が多いのではないでしょうか。スウィングは練習のほんの一部でしかありません。練習には準備が必要です。むしろこの準備の方が重要と言ってもいいかもしれません。準備があれば当然後の整理も必要になります。

 練習の前の準備と後の整理

〇ウォームアップとクールダウン
〇気温・風などの状況確認
〇グリップとセットアップ(スタンス・アドレス(ポスチャー)・ボールの位置)のチェック

 どんなスポーツでもウォームアップとクールダウンは必須です。練習の終わりにも逆素振りなどのクールダウンも必要です。寒いときはボールが飛びません。暑さ寒さに関係なく、ネットまで届かせようとしているとスウィングを崩すことになります。

 左から風が吹いているときにはフェードがストレートボールです。左から風が吹いているのにストレートボールを打とうとして右手の返しを強くするのはミスショットの練習をしているようなものです。アゲインストときにはボールは飛びません。それを無理やりいつも通りの飛距離を出そうとしてマン振りばかりやっているとスウィングが崩れます。

 ボールをまっすぐに飛ばすためにクラブフェイスは飛球線に直角にセットします。スムースなスウィングをしているのにボールがあちこち飛んでしまうのはグリップのせいかもしれません。初心者・アベレージゴルファーはスライスを嫌がってクラブフェイスを過度にクローズに構える人がおおぜいいます。これではボールは左右に曲がり、適度な高さに打ち出すことが難しくなります。インパクトでクラブフェイスが飛球線に直角になるようにグリップすることがぽいんです。

 ボールを狙ったところへ打つためには、セットアップがもっとも大切な準備になります。ところがセットアップ

 (スタンス・アドレス(ポスチャー)・ボールの位置)を入念にチェックしている人はどれほどいるでしょうか。打

 席ですぐにスウィングを始める人はセットアップを気にしていません。セットアップが歪んでいては、ナイスショットは打てず、セットアップが適正ならナイスショットが打てます。

 ベン・ホーガンは「プレーは、結果によって考えず、原因で考えるのが上達の秘訣である。」と語っています。ゴルフの聖書「モダン・ゴルフ Five Lessons of the Modern Fundamentals of Golf」では第2章でスタンスと姿勢について詳しくアドバイスしています。

セットアップの基礎 スタンスを練習する

 スタンスを含めアドレスのレッスンは極めてないがしろになっているのではないでしょうか。ベン・ホーガンは「モダン・ゴルフ」第2章スタンス・姿勢(Stance and Posture)でスタンスを詳しくアドバイスしています。ちなみに第1章グリップ、第3章スウィングの第一部、第4章スウィングの第2部、第5章要約と復習という構成になっています。「モダン・ゴルフ」の半分はグリップとセットアップについてアドバイスしているのです。

 スウィングという運動は足・脚で支えられます。ところがスタンスについてどれほどのゴルファーが注意を払っているでしょうか。それはプロのレッスンでもあまりアドバイスされていません。レッスンU-tubeやレッスン書のアドレスのアドバイスはほとんどが初心者向けです。スタンスについてはアドレスに含まれていてほんの僅かしかアドバイスがありません。ベン・ホーガンはスタンスと姿勢(ポスチャー)を重要なテーマとしています。スウィングの手や腕や体の動きをテーマにしたレッスンはたくさんありますがスタンスについはほとんど見かけません。土台となるスタンスについて初心者・アベレージゴルファーはもちろん上級者になればなるほど精度を上げて練習すべきだはないでしょうか。

 スウィングの土台となるスタンスで見かけるミス

〇すべてのクラブでスタンス幅が同じ
〇スタンス幅が狭すぎる・広すぎる
〇スタンスの向きがスクウェア(飛球線に平行)になっていない(オープン過ぎる、クローズ過ぎる)

 こうしたアドレスではスムースなスウィングはできずナイスショットは打てません。

 これまでにアドバイスした実例には次のようなケースがありました。、

 すべてのクラブが9番アイアンのスタンス幅になっている人がいます。これはアベレージクラスの人に大変多く見られる現象です。ウェッジから8番アイアンくらいまではスムースなスウィングができたとしても、7番アイアンくらいから上のクラブになるとスライスやミスショットが多くなります。これはスタンスが狭いためにアップライトすぎるスウィングになるためです。アップライトすぎるスウィングはスイングプレーンがカット軌道になりやすく、スライスになります。スタンスを広くとることをアドバイスすると「これじゃ当たる気がしない」と言われます。ミスも多くなりなります。スタンスが狭いためにボールと目の距離感が合わない。そのためにいつもボールを目の真下で見る癖がついてしまったために起きる現象です。

 スタンスの幅が狭いとボールが上がらない。高いショットを打ちたいという方にスタンス幅を広げるアドバイスをしました。すぐに高い球を打つことができることもあるのですが、スタンスを広げるとミスが多くなります。これもスタンスがすべてのクラブで同じ(狭い)と同様に、適正な目とボールの距離感と見方(頭の位置)が問題です。スタンスを広げるということは同時に頭の位置も右寄りになります。すると目の位置がいつもよりボールから離れて、ボールを横から見るようになって打ちにくくなってしまいます。長いクラブはボールを横から見るということは人によっては難しいテーマになります。

 逆にスタンスの幅が広すぎる人もいます。こういうゴルファーは下半身を上手く使えず、体幹の捻転ができずスウェイになってしまうことが多くなります。球を上げたいという気持ちが強すぎることが原因になる場合が多いようです。

 スタンスの向きがオープン(あるいはクローズ)過ぎる場合は、肩・胸・腰のラインを飛球線に平行に合わせることが難しくなります。アドレスで肩を平行に構えてもインパクトの時はオープン(あるいはクローズ)になってしまうこともがあります。

基本のスタンスをチェックする

 スタンスはスウィングの土台です。スウィングは脚・腰・胸・肩・腕すべてが連動します。

 ベン・ホーガンは「正しいスタンスはバックスウィングの腰の回転量を自動的にコントロールする」と語っています。

 これはアプローチを考えてみるとよくわかります。初心者・アベレージゴルファーは30Yくらいのアプローチでフルショットと同じスタンスをとることがあります。そうなると大きなバックスウィングで、緩んだダウンスウィング・インパクトになりダフリ、トップになります。

 両足を揃えてドライバーのフルショットはできません。フルショットのスタンスで10Yのアプローチは打てません。スタンスはクラブの長さと飛距離にあった適正な幅があります。スタンスの幅には人それぞれ個性がありますが、クラブの長さと飛距離に応じてスムースなスウィングができることがポイントではないでしょうか。

 ハーフショットが苦手という人はスタンス幅を狭くするだけでスムースなスウィングになります。両足を揃えてスウィングして、両足をいつもより広げてスウィングしてみて、一番スムースに(スウィングの大きさにあった)スウィングできるスタンス幅を見つける練習をしてみてはいかがでしょうか。ハーフショット・アプローチが簡単になるようです。

 スタンスの向きについてはプロや上級者の練習を見ればすぐに分かります。アライメントスティックやクラブを飛球線に平行においてチェックしています。以前日本シニアオープンに出場しているプロになぜいつもアライメントスティックをおいて練習するのか聞いたことがあります。答えは「いつもの習慣です」でした。スタンスの向きのチェックを習慣化していることがナイスショットの基本だと教えられました。スタンスの向きは人によって、あるいは体調によって若干オープン(あるいはクローズ)にするとスムースなスウィングになることがあります。その調整は練習によってしかできません。

 野球でもイチローは日によって、相手投手によってスタンスの幅や向きを変えていました。

 左右の足の向きは構えやすい向きと構えにくい向きがあります。“うで体、あし体”(骨幹理論 鴻江 寿治)では、人間の骨盤は左右どちらかが前後上下に歪んでいるとアドバイスしています。両足の向きは、左足はやや開く、右足は飛球線に直角という一応の基本はありますが、ポイントはスムースにスウィングできる両足の向きです。これも練習場で素振りや実際にスウィングしてスムースにスウィングできる足の向きをチェックする必要があります。

 上達するためには地道な練習が必要です。スムースなスウィングづくりのためには、適正なグリップとセットアップ(スタンス・アドレス・ボールの位置)が必要です。

 なかでもスタンスはスウィングの土台です。スタンスをないがしろにしてまぐれ当たりを期待しても上達はできません。スタンス、アドレス(ポスチャー)、ボールを位置の確認を積み重ねて地道に練習することでマンネリを打破できるのではないでしょうか。上級者になればなるほどその精度が求められます。

 スタンスを見直し、地道な練習に励もうではありませんか。

文・柳生田幹久

PAGE TOP