YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2023年1月9日)

無意識のゴルフ 2

何を意識しているか まずはスウィングから

上級者は練習場ではスウィング、コースではマネジメントを意識します。しかしアベレージゴルファーは練習場でもコースでも、ほとんどスウィングのことを意識しています。まずはゴルファーが意識しているスウィングについて考えてみます。

アマチュアのスウィングで共通する特徴は、グリップの力が抜けないことです。これはかなりの上級者にも言えることです。アマチュアがグリップで力が入ってしまうことには理由があります。それは手と腕でクラブを振るからです。

アマチュアのスウィングはミスだらけです。そのミスを修正するために手と腕を使います。ミスを修正しようとして、ミスの上塗りや代償動作(本来の自然の動きではない動き)を行います。ミスの上塗りや代償動作は本能的にほとんど手と腕を使います。そのためにグリップに力を入れざるを得ないのです。スムースなスウィングができているかどうかは、グリップの力の入り方でわかります。

スウィングで手と腕の使い方を意識すると、本能的に下半身の動きが止まります。逆に下半身の動きだけをアドバイスすると、徐々に手と腕の力が抜けてスウィングがスムースになります。グリップの力を抜くために、“グリップの力を抜く”というアドバイスはあまり効果がありません。手と腕の使い方のアドバイスは、むしろ手と腕に意識が集中して手打ちを冗長する危険性があります。

例えばハンドファーストでインパクトすることは手と腕でやろうとしてもうまくできません。下半身の回転をアドバイスすると、自然にハンドファーストで打てるようになります。手と腕の力を抜くことやハンドファーストは下半身の動きを意識することで可能になります。

先日ある方が「ドライバーのスウィングを見てくれ」と言ってこられました。ドライバーショットは左右に曲がって安定しません。スウィングを観察すると飛ばそうとして手と腕に力が入っていることがよくわかります。手と腕に力が入ると、下半身の動きが止まります。

そこで「もっと下半身を使ってスウィングしてみてください。ナイスショットしたときは下半身が動いていますよ」とアドバイスしました。すると「あれ 何もしないのに飛んだ、飛距離も伸びる」という感想です。もちろん、ショットは安定したものになりました。方向性も球の高さも飛距離も見違えるほど安定しました。何球か打つと脚と腰の動きがよくなり、それまで意識していた手や腕の使い方など、ほとんど意識していないようです。

「手と腕のわずかな筋肉より、脚と腰の筋肉の方がよっぽど大きく、それを使った方が飛びます」と言うと「その通りだ」と納得の返事が戻ってきました。

意識を変えるといいゴルフになる ボールは脚で打つ

鬼才戸田藤一郎は「足の動き(両足の踏みかえ)と、あとは手(腕)の振りだけを考えていればよい。足が動けば腰が動く、手が動けば肩が動く。足を動かし手を振ることによって体が動くということだ。それだけ腰だ肩だと体のことばっかり考えているから難しくなる。これではいつまでたってもクラブが振れないということになる。

みんなむずかしく考え過ぎている。体のことは忘れて、足と手だけを考えたらいい。足の動き(両足の入れかえ)に腕の振りが上手くかみ合えば、体も自然についていくようになる。体のことはいちいち考える必要はなくなる」。ちなみに戸田藤一郎のグリップは指でつまんでいるだけだったと言われています。

49才でプロになり、54才でシニア賞金王になった寺西明は、動きを止めないステップ打ちをアドバイスしています。「足踏みに合わせてクラブを振ること、下半身を使ってしっかりと体重移動を行い、動きを止めずにクラブを振ることが大切だ」とアドバイスしています。

多くのアマチュアは手と腕の使い方、クラブを速く振ることを意識しています。しかし、意識すべきは脚を動かして腕を振ることではないでしょうか。試しに手と腕でクラブを速く振ってみると脚や腰が動かないことがわかります。

 下半身主導でゆったりしたハーフスウィングを繰り替えし、徐々に脚の踏み込みを強くすると、自然に(無意識に)スウィングが大きく、スピードが上がっていくことがわかります。

 クラブを持たずに、脚を動かせば自然に腕が振れることが簡単にわかります。そのときに意識するのは脚の動きだけです。腕は自然に振られます。手と腕の使い方は意識しません。スウィングは脚の動きで決まるということでしょうか。

 アマチュアはスウィングで手と腕を意識します。しかし、スウィングは脚の動きがベースです。それにつられて腰、胸(肩)、腕が自然(無意識)に振られます。

 中部銀次郎曰く「プレー中は、余計なことは言わない、しない、考えない」。いろいろ意識してもできないものはできません。余計なことをしない、無意識のゴルフが一番です。

スムースなスウィング、いいゴルフをするためには今まで意識してきたことを忘れるのが一番いいのかもしれません。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

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