偉人たちの永遠の言葉18(2023年1月30日)

「3打で乗せて1パットでもパーはパー」            

 ウォルター・ヘーゲン

 20世紀初頭に大活躍したゴルファーといえば、ボビー・ジョーンズとウォルター・へーゲン。生涯アマチュアを通したジョーンズは正確なショットで常にパーオン2パットのパー。一方、プロのへーゲンはティショットを曲げるものの、素晴らしいリカバリーショットを放ってパーを奪う。

 この2人が対照的なゴルフで競り合うからゴルフファンはたまらない。ファッションもジョーンズはプレッピーの正統派、一方、へーゲンは派手な出で立ちだから、人気は二分するわけで、そこに目をつけたイベンターが2人のそれぞれのホームコースでエキジビジョンマッチを行った。

 名勝負が繰り広げられるだろうと誰もが思ったが、勝ったのはヘーゲン。それも1戦目は8アップ、2戦目は12アップというヘーゲンの圧勝だった。その勝因は何と言ってもアプローチとパット。

 ティショットを大きく曲げるヘーゲン。誰もがそのホールはジョーンズのものと思うと、へーゲンは信じられないルートでグリーンに乗せ、長いパットを先にぶち込んでバーディを奪ってしまう。ジョーンズはそれに気圧されて、2パットのパー。綺麗なゴルフをしているのに、勝負はヘーゲンのものとなる。仮にヘーゲンのセカンドショットがグリーンに乗らなくても、アプローチとパットでパーを奪う。その勝負強さにジョーンズはボディブローを食らったボクサーのように気力が萎えてしまうのだ。

 ヘーゲンは言ったものだ。

「3打で乗せても、1パットならパー。2パットのパーと変わらない。パーはパーだ」

 まさにそれが勝負強いゴルフというものであり、ヘーゲンはマッチプレーにすこぶる強かった。マッチプレーならショットメーカーよりパットの名手が確実に強いのは今も昔も変わらない。

WALTER HAGEN

1882年12月21日、アメリカ・ニューヨーク州路チェスター生まれ。1969年10月5日没。愛称は「ザ・ヘイグ」。全米オープン2回、全英オープン4回、全米プロ5回優勝。全英オープンはアメリカ人として初めて優勝を成し遂げ、それまで低く見られていたプロゴルファーの地位を高めた。

偉人たちの永遠の言葉

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