
「3打で乗せて1パットでもパーはパー」
ウォルター・ヘーゲン
20世紀初頭に大活躍したゴルファーといえば、ボビー・ジョーンズとウォルター・へーゲン。生涯アマチュアを通したジョーンズは正確なショットで常にパーオン2パットのパー。一方、プロのへーゲンはティショットを曲げるものの、素晴らしいリカバリーショットを放ってパーを奪う。
この2人が対照的なゴルフで競り合うからゴルフファンはたまらない。ファッションもジョーンズはプレッピーの正統派、一方、へーゲンは派手な出で立ちだから、人気は二分するわけで、そこに目をつけたイベンターが2人のそれぞれのホームコースでエキジビジョンマッチを行った。
名勝負が繰り広げられるだろうと誰もが思ったが、勝ったのはヘーゲン。それも1戦目は8アップ、2戦目は12アップというヘーゲンの圧勝だった。その勝因は何と言ってもアプローチとパット。
ティショットを大きく曲げるヘーゲン。誰もがそのホールはジョーンズのものと思うと、へーゲンは信じられないルートでグリーンに乗せ、長いパットを先にぶち込んでバーディを奪ってしまう。ジョーンズはそれに気圧されて、2パットのパー。綺麗なゴルフをしているのに、勝負はヘーゲンのものとなる。仮にヘーゲンのセカンドショットがグリーンに乗らなくても、アプローチとパットでパーを奪う。その勝負強さにジョーンズはボディブローを食らったボクサーのように気力が萎えてしまうのだ。
ヘーゲンは言ったものだ。
「3打で乗せても、1パットならパー。2パットのパーと変わらない。パーはパーだ」
まさにそれが勝負強いゴルフというものであり、ヘーゲンはマッチプレーにすこぶる強かった。マッチプレーならショットメーカーよりパットの名手が確実に強いのは今も昔も変わらない。
WALTER HAGEN
1882年12月21日、アメリカ・ニューヨーク州路チェスター生まれ。1969年10月5日没。愛称は「ザ・ヘイグ」。全米オープン2回、全英オープン4回、全米プロ5回優勝。全英オープンはアメリカ人として初めて優勝を成し遂げ、それまで低く見られていたプロゴルファーの地位を高めた。
偉人たちの永遠の言葉
- 偉人たちの永遠の言葉1(2022年10月3日)
- 偉人たちの永遠の言葉2(2022年10月10日)
- 偉人たちの永遠の言葉3(2022年10月17日)
- 偉人たちの永遠の言葉4(2022年10月24日)
- 偉人たちの永遠の言葉5(2022年10月31日)
- 偉人たちの永遠の言葉6(2022年11月7日)
- 偉人たちの永遠の言葉7(2022年11月14日)
- 偉人たちの永遠の言葉8(2022年11月21日)
- 偉人たちの永遠の言葉9(2022年11月28日)
- 偉人たちの永遠の言葉10(2022年12月5日)
- 偉人たちの永遠の言葉11(2022年12月12日)
- 偉人たちの永遠の言葉12(2022年12月19日)
- 偉人たちの永遠の言葉13(2022年12月26日)
- 偉人たちの永遠の言葉14(2023年1月2日)
- 偉人たちの永遠の言葉15(2023年1月9日)
- 偉人たちの永遠の言葉16(2023年1月16日)
- 偉人たちの永遠の言葉17(2023年1月23日)
- 偉人たちの永遠の言葉18(2023年1月30日)
- 偉人たちの永遠の言葉19(2023年2月6日)
- 偉人たちの永遠の言葉20(2023年2月13日)
- 偉人たちの永遠の言葉21(2023年2月20日)
- 偉人たちの永遠の言葉22(2023年2月27日)
- 偉人たちの永遠の言葉23(2023年3月6日)
- 偉人たちの永遠の言葉24(2023年3月13日)
- 偉人たちの永遠の言葉25(2023年3月20日)