偉人たちの永遠の言葉35(2023年5月29日)

THE WOODLANDS, TX – APRIL 28: Ernie Els watches his tee shot on 11 during Rd1 of the Insperity Invitational at The Woodlands Country Club Tournament Course on April 28, 2023 in The Woodlands, Texas. (Photo by Ken Murray/Icon Sportswire via Getty Images)

イージー&エフォートレス「楽に、努力せずに振ろう」

アーニー・エルス

「この人のスイングっていいなあ」と思わせられるのがアーニー・エルス。ゆったりと振って、大きく飛ばす。できそうでいてできず、アマチュアには何とももどかしいものだが、エルスは自分のスイングを「イージー&エフォートレス」と言っている。「楽で、努力を要しない」スイングなのだ。

 エルスが考えるスイングのテンポは話すテンポと同じで、早口の人は「ワン、ツー」、ゆっくり話す人は「ワン、ツー、スリー」だと言う。ご本人はゆっくり話す人だから、きっと「ワン、ツー、スリー」で振っているに違いない。アベレージゴルファーは打ち急ぎでミスを犯すから、「ワン、ツー、スリー」のテンポで振ったほうが良いかもしれない。

 そして、このゆったりリズムでバックスイングをしていき、エルスは「トップでは背中を目標に向ける」と言う。普通なら「十分にバックススイングする」くらいの言い方になるが、エルスは敢えて「背中を目標に向ける」と徹底した体の捻転を行っている。これは肩を回すことはもちろん、腰も尻も回さないとできない。エルスはトップでまさにそうしているし、だからこそ、へそは飛球先後方を向いている。また、このために、エルスはほんの少しだけヒールアップするが、体の硬くなったシニアにはヒールアップは必然だろう。

 トップからのダウンスイングでは「左肩をあごから離す」と言っている。この一瞬の動きで、いきなり手から下ろしてしまうコックの早い解きを防ぎ、コックをためたレイトヒッティングを可能にする。とはいえ、それができるのも「トップでは背中を目標に向ける」ができているからこそだ。

 ゆったりと楽に頑張らず、とはいえ、十二分にバックスイングして、そこから慌てて手を下ろさずに、ヘッドを走らせる。それが飛ばしの秘訣なのだろう。

ERNIE ELS

1969年10月17日、南アフリカ生まれ。優雅なスイングと穏やかな物腰から「ビッグイージー」と呼ばれる、PGAツアー19勝、メジャーは’94年、’97年の全米オープン、’02年、’12年の全英オープンの4勝。欧州ツアーは28勝。

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