偉人たちの永遠の言葉４５(2023年8月7日） | 偉人たちの永遠の言葉

Gay Brewer of the United States in golf action, circa 1967. (Photo by Ed Lacey/Popperfoto via Getty Images/Getty Images)

まずい1打がスコアを崩すわけではない

ゲイ・ブリュワー

ジャック・ニクラウスと同郷のオハイオ州に生まれたゲイ・ブリュワーは、真面目な性格とマナーの良さで、30年以上に渡り、USツアーで尊敬された名選手である。

1956年、24歳でプロゴルファーになったが、初優勝は５年を経たカーリングオープンだった。しかし、その後はハワイアンオープンなどコンスタントに勝ち星を挙げ、’66年にはマスターズで大活躍。最終日は一時、ニクラウスに３打差をつけて首位に立つほどだった。しかし最終の18番でショートパットをミスし、ニクラウスとトミー・ジェイコブスに並ばれ、翌日のプレーオフで破れ去った。

ブリュワーはパットは苦手だったものの、ループを描く独特のスイングからのショットは素晴らしく、翌’67年のマスターズで優勝、リベンジを果たしている。

ＵＳツアーだけでなく、カナディアンオープンや日本では’72年の太平洋マスターズなど海外でも優勝している。この試合でカーボン製のブラックシャフトを装着したドライバーを使って飛ばしまくったため、日本にブラックシャフトブームが巻き起こった。当時はドライバーのシャフトもスティールが全盛だった。ブリュワーはシニアツアーでも優勝し、生涯17勝を挙げている。

そんなブリュワーが残した言葉が「まずい１打がスコアを崩すわけではない」というもの。完璧を求めると、たった１打のミスショットでも、怒ったり意気消沈したり、悩んだり考え込んだりするのがゴルフの怖いところだと彼は言っているのだ。

ミスショットをしてもその後のショットで取り返せるのがゴルフである。逆に言えば、ゴルフはミスがつきもので、ミスをしないゴルフなどあり得ない。だから喜怒哀楽など表さないで、次のプレーに集中することなのだ。そうすればスコアを崩すことなどないわけで、パットが苦手だったブリュワーだからこその名言である。

GAY BREWER

1932年3月19日アメリカ、オハイオ州生まれ。2007年8月31日に死去。183cm、84kg。’67年のマスターズ優勝は親友のボビー・ニコルズを破ってのもの。ブラックシャフトだけでなく、3ボールパターも使用するなど、新しいギアにも関心が高かった。ただし、彼の使う3ボールパターは違反と見なされたが。