YNGゴルフ研究会書斎のゴルフ(2023年11月20日)

無意識のゴルフ 47

無意識のゴルフのスタート

セットアップとグリップ15 グリップ1

グリップは固く握らない

 「飛ばしたかったらゆるく握れ」、ジェリー・ジェームス(元ドラコン世界チャンピオン)の言葉はグリップの核心です。

 グリップを固く握ると腕と肩に力が入って体の動きが鈍り、クラブのシャフトの動き(しなり)が歪みます。グリップは体の動きとシャフトの動きをクラブに伝えることが基本的な役割です。そのためにはグリップは柔らかく持つことが必要です。

 グリップは、持ち方ばかりを気にするアマチュアがほとんどです。初めて歯ブラシを持つ、鉛筆を持つとぎこちなくて力が入ります。慣れると力はいりません。外国人が初めて日本食で箸を使うときは、手に余計な力が入っているように見えます。初めてクラブを持つときも同じです。ゴルフを始めるときにグリップの持ち方から教わると、それを忠実にやろうとして手に余計な力が入ります。それでスウィングしようとすると手だけではなく腕・肩にも力が入ってしまいます。手・腕・肩に力が入るとスムースな体の回転運動はできません。

 プロのグリップは個性的です。タイガー・ウッズはオーソドックスなグリップで

す。イ・ボミは左手の親指がロングサム気味です。ブライソン・デシャンボーは左手

が極端なウィークグリップです。

グリップには、ウィーク、スクウェア、ストロングやオーバーラッピング、インターロッキング、テンフィンガーなどいろいろなものがあります。パッティングのグリップはオーソドックスな逆オーバーラッピング、クロスハンド、クロー、長尺パターでは両手を離して持つスプリットハンドグリップなど千差万別です。

 戸田藤一郎は「グリップはゆるめたらいかん」とアドバイスしています。さらに

「グリップがゆるむと、腕とクラブが一本につながらない。腕とクラブがまったく別個のものになる。

 グリップはやはり“しっかり”持っていないと、腕とクラブはひとつにならない。そして、体のバネを伝えることもできない。ただし、しっかりというのはギュッと力を入れるという意味ではない。力を入れたらスムースに振れなくなる。クラブヘッドの回転速度ももちろんでなくなる。

 しっかり持って、それで手首を柔らかくしておけるグリップでないといけない。しっかり持とうとすると、力がはいるというのは手のひらで持っているからだ。手のひらで軽く持とうとすると、緩んでスキ間だらけになる。しっかり持とうとすると、こんどは力がはいって手首も固くなる。

 手のひらではなく指で持ったらいい。指でグリップすれば、きちっと持っても手首も固くなることはない」とアドバイスしています。

 自分の指をプロにグリップしてもらうと驚くほど柔らかく持っていることがわかります。本当に赤ちゃんの指を触るくらいの感じでしょうか。アマチュアはたとえシングルプレーヤーでもそういう柔らかいグリップの人はあまりいません。だからこそグリップは永遠のテーマと言われるのかもしれません。

 練習場でフルスウィングばかりしている人はグリップを柔らかく持つことはできないのではないでしょうか。フルスウィングばかり練習している人はアプローチが苦手です。究極の柔らかなアプローチには柔らかいグリップが必要です。ショートアイアンやウェッジでアプローチを練習して、正しいグリップを見つけることが大事です。それがフルスウィングのグリップにも通じます。

(・・・次回に続く)

文●柳生田幹久(書斎のゴルフWEBスタッフ)

YNGゴルフ研究会 書斎のゴルフSpirits 2023

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