中部銀次郎 飛ばしの心 其の七

力を入れるのではなく、

力の入るところでインパクトする

中部銀次郎

 どのようにスイングすれば飛ぶようになるか。そうしたことを中部さんが語ることは少なかった。飛距離よりも方向性重視の人だったからである。そんな中部さんが飛ばしのスイングについて語ったことがある。

「力は自分から入れるのではなく、自然に入ってしまうのがいいわけでしょう。それも一番力が入るところでインパクトすれば最も効率よく飛ばすことができる。どうすればそれができるかと言えば、インパクトの瞬間には右腕を伸ばし切ってはいけない。右肘がやや曲がっているわけです。そして、右肘が伸びるのはクラブがボールを打ち抜いた後。そうすれば強くボールを叩けます」

 中部さんのスイングを見ると確かにそうなっている。中部さんは次のようにも言う。

「右手を伸ばして叩くのと、右肘を曲げて右脇を締めて叩くのとどちらが強く叩けるか。やってみればすぐにわかる。伸ばしていたら強くは叩けないからね。また手が体から遠いと強く叩けない。手は体から近いほうが強く叩ける。体に近いところでインパクトするほうが力が入ります。だから僕はアドレスで手が体から近いんです」

 飛距離の出る構えやトップやダウンスイングにも話は及ぶ。

「アドレスで頭が垂れていては、スイングしたときに肩が邪魔になる。少しあごを上げて頭を起こして構えること。そうすればスムーズなスイングができます。トップ・オブ・スイングでは手を高く上げることも大事だけど、ダウンスイングでは左手1本で打つ気持ちが大切。そうすれば背骨の軸を中心にバランスよく打てるはずです」

 ちなみに体重移動は意識しないと中部さん。結果として体重移動するだけだと語っている。

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