百打一郎と申します! 第1ステージ第6回

体の正面で∞を描くルーフドリル

月2回の練習場通いは生活のリズムとなり、ゴルフ上達の意欲も高まってきました。練習場ではまず「案山子(かがし)ドリル」で筋肉をほぐし、次に自然に良いスイングが身につくという「ホーガンドリル」を行います。

「ホーガンドリル」では、両足を揃えて、手や体の力を抜いて、右膝から左膝の高さまでノーコックでスイングを行い、慣れてきたらコックを入れて腰から腰までのハーフスイングを行い、最後はフルスイングを行います。一般的に言われている、8時~4時、9時~3時、10時〜2時の3段階のスイングですが、最初は素振りを行い、次にボールを打ちます。あくまで素振りと同じリズムで打ちます。間違っても飛ばそうなどと思って、力を入れてはいけません。

「ホーガンドリル」でボールを打つ感じが出てきたら、ユーティリティで「引っ掛けショット」を打ちます。ボールをしっかりとらえればOKなのですが、そのうち真っ直ぐ飛ばしたくなります。そう思った途端にダフリやスライスとなり、飛ばしたいと思ったらシャンクまで出る始末です。

「ポップコーンショットになったら『アームドリル』を行え」と正治さんから言われていましたので、腕自体を回すようにします。つまり、右手でクラブを内転(左回転)し、ボールをつねる感覚で打つようにしました。それは例えばドライバーで締まっているネジを外すように右手を左に回す感じです。こうした途端にボールが捕まりだして左方向に飛ぶようになりました。さすが正治さんです。

 さらに左へしっかり打って飛ばすための方法として、正治さんは「Xラインを用いろ」と言います。それはスタンスを右に向けて、フェース面を左に引っ掛けるというものです。

 正治さんは次のように言っていました。

「右半身でボールを打つというのは左手主導の上級者にとってはタブーだが、初心者の私にはまず右半身でボールを捕まえることが基本なのだ」と。

 こうして「引っ掛けショット」の練習を続けていると、またまた教え魔の常連さんがやって来て、「あなたのスイングはアウトサイドインのスイングで、本来のインサイドインのスイングではない」と話しかけてくるのです。どうしても私の「引っ掛けショット」が気に入らないのです。

 私は次の日に正治さんにこのことを質問しました。すると、やはりこう言うのです。

「確かに一般のレッスン書にはそのように書かれている。しかし初心者がインサイドインのスイングにこだわると、振り遅れてボールを捕まえることが難しくなる。よって、スライスやシャンク恐怖症になり、それを直そうとスイングが定まらず、上達が遅れ、前にも話したように永遠の108打の煩悩プレーヤーになってしまう。テニスで初心者がクロスを打とうとして、振り遅れて右にスッポ抜けるボールが出るのと同じ理屈である。初心者はボールが捕まりやすいアウトサイドインの『引っ掛けスイング』で基礎をつくり、ミート率を高めることが上達の早道だ」

 と。こういうわけです。そして、新たに次のドリルを教えてくれました。「ルーフドリル」です。「ルーフドリル」とは、4時〜8時の小さなスイングで、クラブヘッドが体の正面で8の字のルーフを描くというドリルです。すくい打ちの悪癖を退治できるので、フェアウェイウッドではダウンブローに打てるようになります。

 具体的には、まずは右手1本だけでクラブを持ち、クラブヘッドの動きを覚えます。右手でクラブを持って構えたら、手首を柔らかくしてインサイドに引きます。体は正面に向けたまま、手首を回してヘッドがルーフを描くようにして、飛球線よりも外側に持って行きます。そのままルーフを描くようにしてヘッドを構えたところにトンと落とします。ヘッドを落としたらインサイドにフォローを出し、そこで止めずにルーフを描いて飛球線外側にヘッドを持っていき、構えたところにヘッドを戻して落とします。何度もグルグルとルーフを描いてスムーズにクラブを落とせるようにします。つまり、体の正面で右手とヘッドは8の字というか、無限大の∞を描くことになります。

 右手で何度もやったら、今度は左手で行います。クラブヘッドでルーフを描くわけです。これを繰り返してヘッドをトンと落とせるようになったら、最後は両手で行います。体の正面で8の字、無限大の∞のル-フが描けるように練習します。

 素振りで8の字、無限大∞が描けるようになったら、ボールを置いて打ちます。面白いように左への「引っ掛けショット」ができているはずというわけです。このドリルをするにあたり、正治さんがしてくれたアドバイスは、「当たる、当たらない」「できる、できない」は問題ではなく、自分の体を、自分の意識で動かす努力をすることが大切だということでした。

そうして、「レッスンを受ける心得10カ条」の1項目を繰り返しました。つまり、頭の中を空っぽにする。「できない!わからない!」の言葉は言わない、というものです。

                         (次回第7回に続く)

ルーフドリル
ルーフドリル

文●久富章嗣(ゴルフ向学研究所所長) 編集●島田一郎(書斎のゴルフSTAFF)

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