中部銀次郎 寄せとパットの心 其の七

技術を磨くのではなく、

感覚を磨き、心を鍛える

 中部さんは言う。

「皆さんは、技術が身につけば、スコアが良くなると思っているようですが、

そんなことはありません。技術が身についても心が強くなければそれを生かせない。しかも技術に頼れば、人間が持って生まれた感覚が消えてしまい、失敗することも多くなります。大事なのは、技術よりも感覚と心です」

 そう言われてもよくわからない。アプローチとパットにおいてはどんなことになるのだろう。

「例えばアプローチで言えば、練習でサンドウェッジを使い、上手くスピンをかけることができるようになったとしましょう。そこで、期待してコースに出るわけですが、練習場でやったことができない。それでちっともピンに寄らないということが多いと思います。これは技術の問題もありますが、実際はピンに寄せたいという気持ちが災いして、練習のように打てないということが多いと思います。ですから、寄せたいという気持ちを排除して、練習でやったような心の持ちようにするか、それができなければ、アイアンでの転がしを使ってそこそこ成功させるかの選択肢になると思います」

 心の制約を解くコツを身につけることが大事だというわけだ。

「パットにおいて技術を上げたいとすれば、機械のようにストロークする、カップまでの歩数を測って、それに見合うストローク幅で打つといったことがよく言われますが、こういったことをすると、人間本来持っていた動物的な勘を失うことになります。それよりも自然に寄せられそうな感じを持ってから打つこと。そのためには感覚を磨くことも大切です。練習でも機械的になるよりも、人間本来の感覚重視で練習することです」

 ゴミ箱にゴミを投げ入れるときに、どこまで腕を振ればいいなどとは考えない。ゴルフもそれと同じ。マニュアルでできるものではないということ。マニュアル重視では上達するにも限界があるということなのだ。

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