中部銀次郎「ラウンドの心」其の一

「最小スコアは目指さない。

目指すのは最小限に収まるスコア」

 ゴルフのスコアとは18ホールのスコアの合計である。つまり、1ホールのスコアの積み重ねになる。そのことを踏まえて、中部さんが言う。

「スコアを良くしたいと思えば、1ホール毎に最善を尽くして最小のスコアであがれるようにしないといけない。しかし、そこに大きな落とし穴があります。なぜなら、最小のスコアを出したいと思って、大叩きをしてしまうからです。たった1ホールの大叩きで、トータルのスコアを大きく崩してしまう。だから、絶対に大叩きにならないようにプレーしないといけないのです」

 確かにその通りである。

「最小スコアを目指して大叩きをすると言いましたが、逆に言えば、最小スコアを目指さなければ、大叩きをすることはないとも言えます。危険なことは極力避けて、安全にプレーする。このことだけで大叩きを防ぐことができます。つまり、大叩きは心がけ一つで防げることが可能なのです」

 中部さんは続ける。

「大叩きを防ぐには、慎重にプレーすればいいだけです。OBになりそうなら、OBに届かないクラブを使う。池に入りそうなら、池から遠いところに打つ。林に入ったら、確実に脱出できる空間を狙う。最小スコアであがりたいけど、ミスしたら大叩きになりそうなら、そうならない方法を選択する。1打余分にかかったとしても、大叩きにならなければスコアは崩さない。慎重に、そして丁寧に打つことです」

 中部さんは「怖いからそうする」と告白する。

「私は子供の頃に体が弱かったことから、何事にも慎重で恐がりです。ゴルフではミスが怖いし、大叩きはもっと怖い。スコアを縮めることは至難なため、大叩きを帳消しにすることはできないからです。ですから、私は大叩きになりそうなことは決してしません」

 中部さんが言う。

「大事なことは、最小スコアを目指すのではなく、最小限で収まるスコアを目指すことなんです」

中部銀次郎
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